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第一話 特級勇者派遣大使ゴライアス・ダライアス

 暗い部屋に野太い声が響き渡る。


「ゴライアス・ダライアス。地上の現状はどうなっている?」


 幾人かの目がゴライアスに向かう。


 透き通るような銀色の髪、張りの良い艷やかな肌、若さの宿る大きな瞳。この場で最年少の彼はそれら全てを有していた。

 ゴライアスの薄い唇が動くと、良く通る美声が部屋に響き始めた。


「はい、地上は相変わらず脅威で覆い尽くされるばかり。なんら改善が見られません。幾人もの戦士が名乗り出て戦っては剣と心を折るばかり。もう地上の民ではこの状況はどうにも出来ません」

 ゴライアスは厳しい現実を皆に報告した。


「そうか……我ら天界の民としては、この現状を何とかしてやらねばならん」

 ここ天界で開かれる会議の舵取り役である議長が重々しく言葉を口にした。


「聞けよ皆の者、こうなった今、地上は真の勇者を求めておる!」

「しかし議長、地上の戦士は皆やられてしまったのです。他にどこから勇者を求めれば良いと?」ゴライアスは議長に質問した。


「ゴライアス、それがお前の使命だ。この世界で勇者を求められないのなら、他の世界に求めるのだ。倒れていった者達のどれをも凌ぐ強者を、お前が探し当てて連れてくるのだ。いいな?」


 議長の命令に驚いてゴライアスは口を閉じた。


「ではこれより、ゴライアス・ダライアスを特級勇者派遣大使に任命する!」

 議長のこの言葉を受け、会議に参加した皆がゴライアスに拍手を送った。


「ゴライアス、精進せよ。お前の目で探した異界の民を勇者として召喚せよ」

「承知しました」


 こうしてゴライアスは天界を抜けて異界へ向かった。そう、我々人類が暮らす地球に。

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