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エッセイ

文章にひとつまみのこだわりを

作者: _

こんな味付けもあるよって



 こだわり。


 こだわりのラーメンだとか、こだわりの一品とか、強いこだわりがある〜とか。


 こだわりは基本的に長所に属してて特徴とも言う。


 もちろん捉え方、やり用によっては短所と捉えられる。


 こだわりの中に複数の意味があるのは日本語の難しいところ。


 そんな日本語で書く小説に味を加える方法。


 味と言っても使い所はかっこいい戦闘と甘い恋愛がメイン。


 恋愛の話は面倒なのでしないとする。


 その中では詩うのが一番簡単。


 詩というのはオヤジギャグ。韻とは言い難いけど近い。


 本当は違うけど、小説ではダジャレという認識が1番良い。


 例を出すなら『頬を掠める剣、髪を掠める剣、脇を掠めた痛みに目が霞む』この程度。簡単だけどピンポイントで印象を刷り込める。



 地の文をぐしゃぐしゃにするのも簡単だし最高。


 心理描写。モノ描写。心理描写。モノ描写。など。


 今なら勝てるかもしれない。グッと利き手を引き寄せて有利だと己に言い利かせる。もう少しだけ心に余裕をねだって踏み込む。剣先で突きながら攻勢を維持して相手の守勢を崩せる王手。相手の油断につけ込む後手。


 ちなみにこれは言うほどグチャグチャじゃない。最後を見たらわかる。


 やりすぎると絶望的におかしくなるけど、文章の順番を変えるだけだから工夫がいらなかったりする。



 ここからは少し難しいけど、描写の意識。


 連想ゲーム描写だけど。簡単に味がふかーくなる。


 例えば走る人を描写する。


 草原。女の人が軽やかな足取りで走った、とする。


 草原には細くて短い草が生えている。


 そして踏まれた草は倒れる。


 でも、女の人は軽やかな足取りで走っているし、女の人は体重が軽そうなので草はすぐに起きてくるだろうなあ。


 というか踏んで育てる作物があるらしいぞ?


 そんな考えをしてみると描写が変わってくる。


 女の人はトットッと軽やかな足取りで踏まれた草を若返らせるエコ活動をしていた。僕は小説に出てくるようなエルフみたいだなあと思った。


 ちなみに戦闘で例を出すと。


 剣を受け止めて反撃するが、カウンターを貰ってしまった。


 受け止めた時の火花が手で焼けたりするかも。その時の匂い?と見せかけて……伝わるかは賭けだけど。


 ピキンと弾けた火花がジッと手を焦がす。なりふり構わず誰よりも早く腕を、腕を。鉄の中の不慣れな匂いに気づいた。


 ちょっとは塩のように味が変わるかもしれない。


 最後に例を繋げてみよう。






 

 頬を掠める剣、髪を掠める剣。


 脇を掠めた痛みに目が霞む。


 今なら勝てるかもしれない。


 剣先で突きながら攻勢を維持して相手の守勢を崩せる王手。


 相手の油断につけ込む後手。


 グッと利き手を引き寄せて有利だと己に言い利かせる。


 もう少しだけ心に余裕をねだって踏み込む。


 ピキンと返った火花がジッと手を焦がす。


 なりふり構わず誰よりも早く腕を、腕を。


 鉄の中の不慣れな匂いに気づいた。

参考になったら評価セイー

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― 新着の感想 ―
[良い点] すごく参考になりました……! つねづね「さらっと印象的な描写をなさるなあ」と思っておりましたので、その秘密にちょっと近づけたような気がして、私としては書いていただけて嬉しいエッセイでした。…
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