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年末16

誰もいないオフィスに忍び込み、最小限の明かりをつける。

暖房も最小限に設定されているようで うすら寒い。


ジャンパーと上着のシャツを脱ぎ、手に持ってそれぞれにシュッシュとスプレーをかけて、バタバタと振りながら乾かす。


こんな場面で 職場の誰かが入ってきたらなんと言おうか。


つくづく思う。自分はなにをしているのだろうかと。



はるかはわたしのことを、なぐさめも、心配も、してはくれそうにない。ただ、わたしを否定するだけだ。

・・・すすきのに行ったと言って 止めてくれるわけでもない・・・。


楽しい時間ではなかった。


楽しくもなかったことを隠すために、消臭スプレーをわざわざ買ってきて、オフィスで必死にかけている自分。


そんな姿を俯瞰で想像すると 泣きたい程に嫌気がさす。


楽しくないとは、最初からわかっていたはずである。


だが、楽しくない時間=マイナス というわけではない。


はるかといる時間は「ゼロ」になれる。


だから 傷つくとわかっていながら 求めてしまうのだ。


そんなことを思いながら、ミストでしっとり湿ったシャツの襟元を手に掴み、

誰もいないのに あえて無表情をつくって、遠くを見つめながら、ただ大きく振り続けた。

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