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年末8
こちらが希望をしない限り、一定の時間ごとに接客が入れ替わるのが この店の仕組みらしい。
残されたソファの端でグラスを持ちながらいると、
先ほどよりも少し若い女性が、勢いよく入ってきた。
こんばんはー!失礼しま~す!
彼女の顔をみると、どうやら少しばかり酔いが回っている様子である。
お兄さんは何飲みますかー?頼んじゃいますね~。
酔っている様子をみせながら マニュアル通りの接客はこなすことに 当たり前ではあるのだが、冷たいものを感じる。
はーい、乾杯~!
相手のノリに合わせて振る舞う。
今日はお店忙しい?大変なお客さんとかいるでしょ、
そんな適当な会話をしつついると 彼女の方から
あー、なんかお腹すいちゃった~。
そう言ってこちらを見てきた。
この店 食事メニューなんてあるの? と聞くが それは無いようである。
これは 店の外に誘われているのかもしれない。
しかし申し訳ないが 初対面の女性に食事をおごりたいとは思えないので、
やっぱ食事ないよねー、あればいいのにねー?
そう、適当にあしらってしまう。
すると彼女は少しばかり不機嫌そうになって、
また適当な会話を続ける。




