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年末7

私の隣に座るその女性は、30代半ばか 後半くらいにもみえる。

当たりの柔らかい 優しい雰囲気を見せてくれている。



運ばれてきた飲み物で乾杯をする。


どこかで飲んできた帰りですか?外、寒かったですか?


そうー、仕事関係の飲み会だったんだけど、なんか気疲れしたから飲み直しに来ちゃいました。

地下から来たけど、やっぱり今日は寒かったですねー。


グラスのビールを手に そんな当たり障りのない会話をしばらくする。



そんなやり取りでも、気が紛れるので居心地が悪いわけではないが

こちらがさほど乗り気でないせいか 会話が弾みもせず、

そのうち少しの沈黙ができる。


そこでこちらから、唐突に切り出してみた。



・・ううん、実は 悩んでて、職場の人間関係なんだけど。


えー、どうしたんですかー?


当然のような相槌を打たれてから、

さらになんと続けるべきか考える。



・・・んー、自分は結婚してるんだけど、

職場の人を好きになっちゃって。

しかも、そのことを相談していた人のことも好きになった、、

みたいな 感じ・・・。はははっ。


自嘲的に笑いながら そう言葉にしたときに、

なんとも言いえない違和感を感じた。

だが 話の流れを止めたくもないので そのまま続ける。


なんか、もうどうしていいかわかんなくて、

どうしたらいいかな?



そんな大雑把な相談をされたところで、相手もあしらいに困るだろうことはわかっているのだが、

面倒な質問をする客など 他にも大勢いるだろうから許してもらいたい。



へー そうなんですか、好きになっちゃったんですね。


言葉に期待はしていない。

適当に相槌を返してくれるだけでもありがたい。


そうなんだよねぇ・・・、ふぅ・・。


と、すこし演技がかったような溜息をしつつ、

このあと何を話すべきかと、今 自分で感じた違和感について少しだけ考える。


・・・だが、それからさほどの会話もないうち、

黒服の店員が席の近くに来て 女性に声をかける。


あ、もう時間だからわたし行きますね、

また遊びに来てくださいー。


そう言って 彼女は席を離れていった。

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