年末4
その夜、札幌の街中に出る。
取引先との忘年会は、オフィス街の地下にある小さな居酒屋の座敷席だった。
忘年会といっても、うちの会社から課長と部長と私の3名、
相手先からも3名のこじんまりとした会である。
仕事の付き合いだが何か接待をするような場でもない。
ビールと枝豆だけでずっと話していそうな
おじさんの集まりの輪の端で、適当な相槌を打ちながら飲む。
さすがに年末とあって、店内は賑わっている。
私の目線の先にはカウンター席があり、座っている客が目に入る。
私よりも少し若そうな男女のカップル客の後ろ姿がある。
並んで楽しそうに話している。付かず離れずの微妙な距離感で、まだ友だち同士のようにも見えるが、楽しい時を過ごしているようである。。
・・・はるかとホルモン屋に行った時も カウンター席だったが
周りからこんな風に見られていたのだろうか。
いや、こんなに仲良くはしてないか・・、、
などと考えるうち、また はるかのことを思い出してしまっている自分に気づく。
周りから聞こえてくる会話にあわせて 作り笑顔をしながら、急に落ち込んだ気持ちになる。
今夜は誰かと どこかに出ているのだろうか・・。
・・などと。なぜ悩まなければいけないのだろう?
という気持ちも同時に湧いてくる。
そもそも、栗原さんのことに悩みながら
いつしか はるかのことまで悩んでしまっているのは なぜなのか?
全くそんな予定ではなかったのに。
しかも、どちらの悩みも時間を経るほどに深くなる気がする。
こんな 自作の底なし沼にハマったまま
モヤモヤとしながらこの土日も、年末年始も過ごしたくはない。
もういっそのこと、強い酒でもあおって、
真冬の豊平川あたりに、飛び込んでしまおうか。
・・・・・・、
せめて、この 収拾がつかない状態を、
誰かに話せたら?
少しは楽になれるのだろうか。
自分の気持ちがどうなるのか、試してみたい。
優しく話をきいてくれる相手ならば、誰でもいいのかもしれない。。




