年末1
年末。あと1週間ほど働けば 少し長い休みに入る。
職場は忙しいが 休みが近いことを糧にして 皆、働いている。
忙しいさなかながら 年末の大掃除として
各部署では不要になったパソコンの片付けや模様替えなどをしているようで、
「これ、捨てていいかなー?」「この設定 直せる?」はるかから
そんな問い合わせがちらほらとくる。
「OK~」「出来ますよ~」
仕事は仕事として、フットワーク軽く対応するのはポリシーである・・・、
そう自分に言い聞かせながら、普通に振る舞うようにする。
はるかが何を思っているのかわからないが、
こちらが 話をしたいと意識すると、途端に緊張して自由な言葉が出なくなるから、なんとも具合が悪い。
もうすぐ来る休暇は、それはそれで嬉しいはずなのだが
心のもやもやを抱えたまま 年末年始を過ごすことを想像すると、
生き地獄に放り込まれるような、おぞましい気持ちになる。
用事を終えて 去り際のタイミングに、
詰まる言葉を押し出しながら
「・・・ね、今週末 空いてない?」
と、ボソリと口にしてみた。
「う~ん、予定ある。」
「そ、じゃあ平日だけど クリスマスは?」
「もちろん予定あります!」
我ながら、余計な事を聞いたと思う。
そんな素っ気ないはるかの態度に、
ゴールがないマラソンを一人で走り続けている中で
給水ポイントがしばらくないことを知ったような絶望感、とでも言おうか、
意識がスーッと遠くなるような、そんな感じがした。




