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動揺8

薄暗く落ち着いた店内。


6席ほどのカウンター席しかないが、先客が一人いるだけだ。


離れた端の席にすわり、バーテンダーの女性に注文を相談する。


「クラフトのジンはどうですか?」


甘くないものを飲みたかったので、おすすめにしたがってジントニックを頼む。


大ぶりで広口だが、飲み口が薄い造りのグラス

ピンクペッパーの丸い粒が鮮やかな一杯が私の前に出される。


居酒屋で頼むジントニックとは 何もかも違う飲み物 という風情である。


ジンの香りを感じながら、店内に流れるジャズを聴き、ゆっくりグラスを傾ける。




そして、そんな店の雰囲気には少し似つかわしくないスマートフォンを

胸ポケットから取り出して 右手に構える。

少し考えながらも、サッと文字を打ち込む。


「お疲れさま!今日は幹事ありがとう!

もしかして帰り際、送迎を断って 一緒に帰ろうとしてくれてた・・?ありがとう!」


はるかに、そうメッセージを書いて 送信する。



スマートフォンを一旦置いて、

またグラスを右手にもつ。


・・・、


”そうー、ざきの話を聞いてあげようかと思ったけど 送迎を断りきれなかったね!また今度!”



・・なんて返事が、くるのではないかと

予想、いや、期待 している自分がいる。



・・・、


一杯目のジントニックが飲み終わる頃、テーブルに置かれたスマートフォンが小さく振動して、LINEの通知が来た。





「おつかれ!全然考えてなかったわ!」





現実とは、そんなものなのである。



「そうかい!感謝して損した!おつかれ!」


素直な気持ちを 投げるように返す。


グラスの残りを一気に飲み干して、バーテンダーに

今度は 少し強めの おすすめのカクテルを頼んでみた。

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