東京
台風一過の東京は、朝から暑かった。
予報では記録的な暑さになるらしい。
宿のエントランスを出た瞬間、眩しい光に照らされ、ジリジリとした熱の波が頭上から、足元から、激しく襲いかかってくる。
歩道橋で繋がる駅までのほんの数十メートルで、汗が湧くように出てくる。
しかしそれは、こちらの睡眠時間が少ないことも影響しているだろう。
結局、宿となるビジネスホテルの部屋に入れたのは、深夜3時のことだった。気の良いタクシー運転手にあたり、東京のタクシー事情について興味深く伺っているうちに宿に着いた。
すぐに翌日に備えたかったが、疲れの割に目が冴えて寝付けない。深夜のテレビ番組を点けながら歯を磨いた。
床に就いて、部屋の明かりを消すと真っ暗になった。
ただ、困ったことに ベッドサイドのローテーブルに埋め込まれたアナログ時計が、完全に故障しているとみえて、ジジジと不快な機械音を立て続けている。
この旅は宿にも恵まれないのか。
そう思いながら、唸る時計に掛け布団を被せ、こちらはシーツに包まって朝を迎えた。。
今日の用務は打ち合わせが2件。
午前はお台場で、午後は品川、という上京したての北海道人にもわかりやすい場所どりである。
お台場のオフィスビルのカフェで適当な昼食をはさんで、品川へ移動する。
建ち並ぶオフィスビルを眺め、人々の波に揉まれながら、東京の空気を感じる。
それにしても、暑い。
予定よりも少し延びて打ち合わせが終わり、冷房の効いたビルを出た。
夕方6時になったというのに、外は立っているだけで汗が出る気温と湿度だ。
東京で働くサラリーマンなら、こんな日の帰り道には、
同僚とビアガーデンで一杯。と、なるのだろうか。
夕暮れのオフィス街。駅へと向かう人々を眺めながら考えていた。




