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距離1
はるかが、栗原の様子を伺ってみると約束をしてくれてから 数週間が過ぎた。
暦は11月である。
社内の建物間をつなぐ渡り廊下が日を追うごとに寒くなる。
それに合わせて心の寒さも増すような気がする。
冷え切った渡り廊下の窓から、ふと行く先の建物を見ると窓辺に栗原の姿が見えた。
聞こえてくる話では 総務課は忙しい時期のようである。
毎日こんな近くにいるのに、とても遠く感じる。
そう思えば思うほどに、さらに近付けなくなる。
そんな気持ちが、どんどん悪循環を生み出しているような気がする。
自分で作っている殻ならば、自分でやぶりたい。
はるかに頼って いつまでも待っていてよいものか。
そんな気持ちが少し生まれてきた。




