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相談5
「でも、ザキが変な気持ちをあきらめて、栗原さんと普通の関係に元に戻りたいんなら、わたしは協力するよ。」
複雑な想いで収集がつかなくなりそうになった頃、
はるかから、初めて嬉しい提案がされた。
変な気持ち、という言葉にひっかかるところはあった。だが きっぱりと否定できない。
「だって、あわよくば、って思ってるんでしょ?それはダメ。」
そんなことはない。と言い切れないから 、はるかに従うしかなかった。
だが、自分は栗原をどう思っているのか というシンプルな問いに対して、
本当のところまだ答えは出ていない。
会って話がしたい。だがそれが許されないことが苦しい。その想いの根源をなんとするのか。
・・・・・・。
時計は午前1時をまわり、終電もとっくに過ぎた。
店の終わりも見えてきたので 出ることにした。
深夜の繁華街の端。今までいた雑居ビルの周りには、
あまり目立たないが 予約なしで入れるホテルも数軒ある。
はるかの言う、私の栗原への 変な気持ち が、この立地に表れていると指摘されれば、言い逃れは出来ないかもしれない。
そんな余計なことに気づかれないうちにと、
早々にタクシーを拾って、はるかを家へ送り届けるルートで帰路についた。




