42/164
本音
酔いがスっと覚めると同時に、頭に血が昇るのを感じた。思考が真っ白になる。
そして、スマートフォンを持つ指先から、血の気が引いていく。
こんなタイミングで そんな本音めいた事を言われたら、動揺する。
そして、その言葉の意味するところは、もう二度と飲みに付き合ってくれることはないという 栗原の意思表示のようにも読めて見えた。
そう読めるのはわたし自身が それに最も怯えているからだろう。
栗原にそんなことを思わせたことの後悔と、このまま疎遠にはなりたくないという気持ちが 激しく入り交じる。
なんと返すべきか。。
栗原が本音を言ってくれたのは嬉しい。だが、その理由で避けられるのは どうしようもなく寂しい。
そもそも、わたしは栗原に何を求めているのか。どんな関係でありたいのか。
自分に問いかけながら返事を考えるが、どうしても言葉がまとまらない。
祝勝ムードが漂う 賑やかな店内で、ひとりスマートフォンを打ち続ける。
そして まもなく閉店という時間になっていた。




