想い出話2
わたし自身、中学の頃は人並みに クラスメイトの女子に密かな気持ちを抱き続けていた経験があった。
しかしその気持ちは結局 誰にも打ち明けることはなかった。
(その女性とは後に大学で再開するのだが、それはまた別の機会に、、)
なので、阿久津を想う杉山の苦しさは、なんとなく想像ができた。
だからこそ、言い出しずらい気持ちを打ち明けてくれた杉山のことは 少しでも楽にしてあげたかった。
「一人で悩むのは苦しいだろうから、電話とかで いつでも話きくよ」
「ありがとうございます!吉崎さんに話してよかった・・」
・・・などと、気前の良いことを言ったはいいが、
結局抱えきれず わたしは自分に押し潰されることになる・・・。
結論から言うと、恋愛相談を受けているうちに、
杉山と阿久津が近くなることが 嫌になっていった。
わたしにとっては、阿久津とこの部活を盛り立てて行きたい気持ちが第一にあった。
だから、人間関係に波風を立てるような事を 杉山にさせたくなかった。
極端に言うなら、この部活から離れて欲しいとさえ思い始めた。
だから、相談にのりながらも 阿久津にアプローチしたいという杉山を おさえようとした。
・・・そんなわたしの態度に業を煮やした彼女は、
3人のうちのもう一人の男、N に相談するようになる。
だが、その N は 杉山のことを好きになっていたことを、わたしは知っていた。
そして、当の阿久津には 杉山への特別な気持ちなどはなかった。
わたしを除く男二人の間では
知らぬ間にある計画が立てられていた。
阿久津とNが、杉山を誘導して 阿久津への告白をさせる。
そして阿久津が予定通り断った後、Nが杉山の所へ寄って 告白をする・・・。
いつもの部活の帰り道。
そのあまりな計画は、私が知らされたのと同時に、実行された。
阿久津とNに交互に制されて、わたしは遠目に見守ることしか出来なかった。
戻ってきた杉山は、ぼろぼろと泣いていた。
奇しくも、杉山に最初に相談を持ちかけられた場所だった。
ここでこんな姿をみせられることになるとは。
申し訳なさと同時に、胸になにか熱いものを感じた。
その場を離れてから Nに問いただした。
「なんで あんなことを」
Nは言った「だって、阿久津くんにフラれてくれないと 俺が告白できないんだもん」
帰宅して、すぐに杉山に電話をする。
「大丈夫?」
電話口でグジュグジュと泣く杉山に、なにも言えず、ただ通話を続けた。
しばらくして 落ち着いたと思ったら、また泣き始める。そんなことが何度か続く。
励ましの言葉を選びながらかける。
「これからどうする? 」
「わかんないけど、しばらくあきらめられないとおもぃまず・・」
力になれなかったこと、結果的に傷つけたこと。
わたしのなかで複雑な想いに整理がつかず
それから度々、杉山と 夜に電話をするようになった。




