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三次会
10分ほど歩いて 飲み屋の並ぶあたりに着いた。
このあたりは職場からアクセスが良いので、大人数の飲み会では栗原ともよく来ている。
いくつかある店の中で、深夜3時まで営業している チェーン店の居酒屋に決めた。
店に入って人数を伝える。
いつもは混んでいるが さすがに終電を過ぎたこの時間は落ち着いているようだ。
見慣れた少し広めの個室に通される。
「おなかはいっぱい?」
「そうですね でも、なにか食べたいです!」
メニューを眺めて話し合い、
だし巻き玉子と漬け物、そして二人分の日本酒を頼む。
すぐに 2合の徳利と、お猪口 二つを店員が持って来た。
「どうぞどうぞ」と互いに言って 酌をしあう。
三次会、、
ちょっと無理に連れてきたようで少し気が引けるが
幸い、栗原さんは楽しそうにしてくれている。
・・してくれている・・、
そう考えながら 栗原の笑顔をみると、
心が少しギュッとなる。
なにか栗原さんを楽しませる話題で盛り上がりたい
先程の店での話題の続き、、
自分の高校時代の苦い恋の話・・・とか?
それをするのが ここでの正解なのかはわからないが、
「それ、ききたいです!」
興味を持った態度をみせてくれるので。
他人にとってはつまらない想い出の話、、
妻にも話したことのないような話を、栗原に話しはじめていた。




