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送信

本当に、送ってみた。


・・・・・・・・・


感染症対策としてローテーションでの在宅勤務が始まった。

妻の方は、5時以降に在宅で作業をする事が増えている。


在宅勤務となった今日。自分の就業時間が終わると家の書斎を明け渡して、車を一人走らせる。


郊外の幹線道路沿い。広いパーキングエリアの端に車を停める。

私物のノートパソコンを開いて、モバイルルーターの通信で、会社の業務端末へリモート接続する。


景色は違えど、オフィスに居るのとさほど変わらない仕事環境が完成する。



リモートワークの急需要によって、顧客からの問い合わせが次々と入ってくる。

メールを片付けつつ、自社内のシステムへの対応も片手間で行う。



降って湧いたように仕事が増えて、大変ではあるが、

このご時世に こうして必要とされる仕事があるのはありがたい限りである・・。


今日は金曜日。

取り急ぎ、今週中に終わらせたい件は片付けた。

外はとっぷり日が暮れた。だが、妻の仕事が終わるまではまだ時間がある。



インターネットで契約している、アニメチャンネルのサブスクリプションを開く。


賑やかな作品の一覧の中から、タイトルやサムネイルを頼りに、

自分の好みにはまりそうな一作を探すのが、アニメ鑑賞の第一の作業である。


・・・今日の選択は、そこそこの当たりだった。

いかにもアニメ的な学園ストーリー。

対象年齢は10代後半から20代だろうか。

一見、定型化されたお決まりの展開のラブコメのようでありながら、

テンプレートに呑まれることなく、キャラクターの人格が活きてしっかりと描かれている。

演出もテンポが良くて楽しめる。


この先も見続けよう、と思える作品に出逢えることは、

アニメ鑑賞をする上での醍醐味である・・・。



・・・・・・、


・・・そうして一見、有意義に時間を潰しているが、



ふと、現実で抱えている悩みを思い出すと、一気に引き戻される。



これさえ、無ければ・・・

忙しくても、気持ちが穏やかになれるはず・・・。


・・・・・・、


スマートフォンのメモ帳を開いて、何度となく微修正した、軽薄なお誘いの下書き文を、すべて選択しコピーする。


LINEのアプリを開き、栗原さんのトーク画面に貼り付ける。


送信ボタンをタップすることに、

もうためらいはなかった。




とうとう、送ってしまった吉崎。はたしてどうなるのか・・!

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