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ため息
その翌日のわたしの用務は、業界セミナーへの参加だった。
半日 講演を聴くだけの予定であったが、そこで ちょっとした出来事があった。
セミナーを主催する団体から、わが社の取り組みが 業界への貢献であるとして表彰されたのだ。
私はただの事務担当者であったが、サプライズの表彰状を受け取る形となった。
観客の前で一言、挨拶もさせられてしまった。
権威があると言えるほどのものでは無い。ただ、驚かされたことは確かだ。
今回の東京出張は 最初から最後まで印象深い三日間だった。
空港へ向かうモノレールの車中、
さきほどの表彰式の写真を見返す。
これを栗原さんへ送ってみようか、と一瞬 考える。
「すごいですね!」と優しく返してくれるような気はする。
しかし、あまり気を遣わせるような連絡はやめておいたほうがよい・・な、そう思い直してやめた。
さすがに疲れたかな。
夕暮れの東京を眺めながら、
わたしはふと 軽くため息をついていた。




