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無責任

「業務課に木下さんが来るんだね!」


はるかに書類を渡しに行くと、そう話しかけられる。


4月からの人事異動が最近発表になり、社内で旬の話題となっている。


「そうみたいだね」


木下さんは、栗原と同期の女性社員である。

この入社年は皆 仲が良いようで、栗原を含めた女性社員同士で一緒に旅行に行ったという話を聞いたこともある。


私も その同期メンバーが主催する飲み会に ”入社年が近い”という枠で ご相伴に預かったことが何回かあったが、

木下さんとは そこで一度か二度 会話したくらい、あとは ごくたまに仕事で話すくらいの関わりである。



「第2章、始まっちゃうかもね」


にこにこと笑いながら唐突にはるかが言う。


「え?なんで」


苦笑いで咄嗟にそう返して、自席へ戻る。


はるかの言わんとすることはわかるが、なにを思ってそう言ったのか全くわからない。

悩んでいる私のことを、どれほど面白がっているのだろうか。


私にとっては 一刻も早く完結させたいのが、この物語なのである。

新しく誰かを巻き込んだりしないし、いわんや第2章など 始めるつもりもない。



やはりわかってもらえていない。

はるかに責任はないのだが、無責任なことを言われると ため息がでる。

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