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旅の宵4

席について とりあえず生ビールを2つ頼む。


わたしの前に座る栗原は、黒いTシャツに長い髪を後ろで束ねたカジュアルな服装だ。

ここで串カツ屋を選んだのは、無意識に栗原さんのドレスコードに合わせたからかもしれない。良い意味で そう思った。


「おつかれさまですー!」


冷えたジョッキで乾杯して、ビールをグッと飲む。

この瞬間を待っていた。きっと一人だと味気なかっただろう。


串にかじりつきながら、栗原の東京観光の話、職場の話、仕事の話、休みの過ごし方、、思いつくまま話した。


よくある飲み会での話題であっても、二人で話してみるとまた違う雰囲気で、新鮮味がある。


何なら 自分には こちらの方が性に合っているかもしれないと感じる。大人数の飲み会も嫌いではないつもりだが。。


途中、2軒目に行こうかという話にもなったが、行くあてもないということで そのまま居座ることにした。


気付くと、夜11時を回っていた。


お互い翌朝から仕事である。栗原の方が早い時間から始まるということだ。


会計を済ませ、すっかり客がいなくなった店を出る。

栗原の泊まるホテルと新宿駅の分かれ道まで歩く。新宿はこんな時間でも明るい。


歩きながら、、

「東京で飲んだ事、みんなに秘密にしておかない?」

話の流れで、そんな提案をしてみた。


狭い人間関係の職場で、特定の誰かとの関わりを 知られたくないような気持ちがあった。


「わかりました!」


その時、並んで歩く栗原の表情は見えなかった。


駅との分岐点に着いた。

「じゃあ、また東京で・・!いや、札幌で?」

よくわからない挨拶をして、笑いながら別れた。


深夜の山手線に乗り込む。

栗原さんは、楽しんでくれていたのだろうか。

気になって、お礼のメッセージを送った。


「栗原さん!遅くまでありがとう!おかげさまで楽しい夜でした!」


「吉崎さん!ほとんど寝てないところありがとうございました!東京で飲めて楽しかったです!次回は歌舞伎町ですね!」


自分の寝不足は忘れたいた。

次回があればよいな、歌舞伎町か・・


そう思いながらLINEの画面を閉じた。

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