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年賀
「あけましておめでとうございます!いろいろありましたが、今年もよろしくお願いします!」
新年3日の午後。そのメッセージを送ったのは 家から車で少し走った所にある大型書店のフロアである。
妻が化粧室に行ったその合間に 本や雑貨を眺めながら、まるで仕事のメールを片付けるような所作で 送信ボタンをタップした。
肩にかけたカバンには 和歌をしたためた年賀ハガキも入ったままだが、これでこいつの出番はなくなった。
妻が戻ってきて、これといった目的もなく店内を歩きながら正月休みの時間を潰す。
LINEの画面を時々確認していると、ほどなくして「既読」のマークがついた。




