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焦燥
新年3日目の郵便受け。
昼をまわった頃ダイヤル錠をまわして 覗き窓のついた蓋を開けてみたが
その中には、私の心を表すような 空虚があるだけだった。
「あけましておめでとうございます。
昨年はいろいろありましたが、
今年もどうぞよろしくお願い致します!」
昨晩 飲んで帰ったあとに
LINEの、自分だけが参加しているグループトーク画面に投稿して 字面の雰囲気を確認していた。
栗原さんは年末年始はいつも実家に帰省しているはずで、例年なら元日には届いていた。
このまま年賀状が来ることはないだろう。
これまでの年賀状は業務課内のしきたりだったからなのか。
それとも 今年送られて来ないことには、それなりの 意味 があるのか。
どう捉えたらよいのかを 正月から悩み続けて
せっかくの正月休みのはずが、心休まらない。
このままなにもなく時が過ぎてしまうことにめまいがする。
年末の時間をかけて 和歌を書いた年賀状。
これを 盲目的に 郵便ポストへ投函してしまおうか。
なにかアクションをしなければ、なにも起こらない。
気持ちがせいている事は自覚している。




