新年
自宅で妻と2人。
一応年越しらしく、買い込んできたオードブルと大きなエビなどをテーブルに広げて
紅白歌合戦の副音声チャンネルを流しながらちびちびと酒を飲む。
酒を飲んでいる間は少しばかり気持ちは楽だ。
普段は見ないアーティストのステージを流し見するのは大晦日らしくて好きである。
賑やかだった番組はやがて、お寺や神社からの厳かな中継に切り替わり
時計が0時を過ぎる。新しい年が来た。
今年はどんな年になるのだろうか。
年越し番組が終わって、新年最初のNHKの定時ニュースは、中国の方で流行っているという未知のウイルスとやらである。
テレビを消して、妻と初詣に出ることにした。
マンションから歩いて10分ほどのところにある神社へ向かう。
外気はキンと冷たいが風はなく穏やかなのでそれほどつらくはない。
神社に向かう人、帰ってくる人がちらほらいて深夜なのに賑やかなのがなんとも正月らしい。
神社に着くと、思いのほか参拝の行列ができている。
50メートル程の最後尾に並んで、立ち止まっているとさすがに身体が冷えてくる。
周りは家族連れやペット連れがいて、寒さに身体を動かしつつあたりを見ながら時間をつぶす。
いよいよ身体も冷えて来た頃、順番が回ってきた。
お賽銭を投げ入れて、鈴を鳴らし、柏手を打つ。
目を軽く瞑って手を合わせる。
「妻と楽しく平穏に暮らせますように」
そう願うのは、心底 本心である。
参拝を終えて、本殿の脇にある社務所でおみくじを引く。
《末吉》
なんとも言えない。
「恋愛 この人より他なし 迷うな。」
なにがだよ。
いや、私の悩みは恋愛ではないからそこを気にする必要はない。
仕事運の方をみるべきだ・・。そう自分に言い聞かせつつ、
細長い紙を 縦に折って、手近なところにあるおみくじ掛けの横縄に結びつける。
冷えたから出店の甘酒でも飲んでから帰ろうと妻に提案して 賑やかな方に寄っていく。




