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ヤンデレ兄の厭世的思考  作者: にゐと.
1/1

殴ってくれていいからね?

「れん?...お兄ちゃんの事、殴ってくれていいんだよ?」

「...いやだ。」


私の兄は基本的に頭がおかしい。


灰坂(ハイザカ) 叶人(カナト)

大学2年生。


こんな奴だけど学校には毎日ちゃんと通っていて、

詳しくは知らないけれど、モテているらしい。


確かに昔から性格とは違い、外見だけはまともだった。

背も高く、肌も真っ白。


私は妹の灰坂(ハイザカ) (レン)

男っぽい名前だと言われるが、れっきとしたFJK。

あ、FJKとはファーストJKの略で、高校1年生の事ですよお姉様方。



毎日増えていく兄の自傷行為の傷。

それを覆う包帯や湿布も日々増えていっている。


「ねぇ、お兄ちゃん。死にたい?」


「うん、死ねるものならいつでも。

あ、れんがお兄ちゃんの事殺してくれるって言うなら今でもいいよ?

部屋から包丁とか色々持ってくるから。」


サラッと物騒な事を口走ったなこいつ。


「自分の妹を勝手に殺人鬼にしないで。他殺じゃなくて自殺でどうぞ。」


本当は、死んで欲しくなんてないけど。


私のこの一言で拗ねた兄はやっぱりおかしい。



マゾとかドMとかそういう域を通り越して、死を願っている。

死にそうな顔で絶えずにこにこと笑う兄の姿。

私はもう慣れてしまったけれど、傍から見るとかなり異様だろう。


「あ、また煙草吸ってる。そんなに美味しい?」

「え、だって、寿命縮みそうでしょ。」


理由は本当にそれだけの様でむしろ美味しくないと言っていた。

眠そうな顔で煙草を吸う兄は、儚くて壊れてしまいそうで。


「寒いから、早く入って。」


まだ8月の上旬。微塵も寒くなどない。


「...うん、わかったよ。」


たまに物分りのいいお兄ちゃんは、やっぱり変で苦手だ。





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