表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/17

勉強2

前回からだいぶ間が空いてしまった…

いや、別にめんどくさくなったとかそんなことはないんだよ、うん…

あれだけ酷かった目眩が少し目を閉じて

横になっていただけで大分薄れてきた。

いや、ひんやりと目元を覆う手の主が

何らかの作用をもたらしているのだろう。


「気分はどうだい少年」


「少しはマシになりました」


「それは重畳。けどまだ顔色が悪いなぁ。

よし、お姉さんが膝枕してあげよう」


「結構です」


「即答か」


クツクツと愉しげに笑う神は、いつの間にか

着物姿の艶やかな女性に転換していた。

神に性別は無い。つまり気分で

ころころ変わるはた迷惑な奴らなのだ。

しゃなりと音を立てる簪が妙に似合っている。


「素直に誉めれば可愛げあるのに」


「すいませんね、可愛くなくて」


「そう拗ねるな、可愛い奴め」


ぐしゃぐしゃと無造作に髪を掻き回す

相手から一歩距離を取る。

このタイミングで女性に転換したのは

少しでも俺の緊張を解くため..?

否、神は(あいて)を気遣わない、はず。

今の俺は、あまりに無知だ。


「教えて下さい」


再び元の教師を模した姿になった神は、

ゆるりと笑みを浮かべた。


「もちろんだとも。その為に、僕はここにいるのだから。では、先程の続きに戻ろうか。確か君が視たのは神核であることまでは話したよね」


「はい」


「あれに追加補足をするとだね、神核とは神を形創るものであり、即ち鏡だ」


かがみ、とは鏡で合っているのだろうか。

この場合は比喩として、か?


「そう。神が視るもの、カミガミル(カガミ)。要は自身を映し出す鏡、ということだ。神核の形態は所有者の状態そのものだからね」


それは、つまり。

俺が視たあれが、この神を表していると。

目の前の相手と、あれが、イコールであると。

そんな俺の心中を知ってか、返ってきたのは苦笑い。


「あはは。君には僕がどう視えたのか聞かないでおくよ。どうか少年、その感性を貫いてくれ」


後半は小さすぎて聞こえなかったが、

その時一瞬だけ浮かべられた笑みの儚さに

聞き返すことは出来なかった。


「次に、何故君はあの時、『今のは何だ?』ではなく『貴方は、何だ?』と聞いたのか。それは、君が無意識下に神核が、あれが私を表していると理解していたからだ」


「無意識下に、理解していた?」


「そう。君は僕の想像以上に優秀らしい。嬉しい限りだよ。」


今、もしここが漫画の世界なら、花でも飛んでいそうな雰囲気だ。そんなに、嬉しいことなのだろうか。


「ああ、とても嬉しい誤算だよ。恐ろしい子だ。だからこそ、期待に値するのさ」


恐ろしいのが期待に値する?

なんとも読みづらい神だ。

眉間に皺を寄せる俺を見て、

神はただ微笑むだけだった。


「気にしなくて良いよ。こっちの話さ。で、だ。本来、神核とはああも簡単に視えるものじゃないんだ。誰だって、大事な物は隠しておきたいだろう?更に言えば、あれは裸の自分だ。相手の視界に入る所に置こうとは思わないものだ」


「そうですね」


「ではここで、何故君には視えたのか?という疑問が発生する。大きな要因としては、三つある。一つ目、僕が油断してたこと。二つ目、君の眼が強すぎたこと。そして三つ目は、僕が君を見誤っていたことだ。要は、今回のことは僕が100%悪い。ごめん」


バッと座ったまま頭を下げた。

つまり土下座だ。


「え、ちょ、止めて下さい!」


「ほんとにごめん。一歩間違えば、二度と君は戻れなかったかもしれないのに」


「戻れなかった..?」


「そうだ。耐性の無い者や弱い者にとって

僕ぐらいの神格を有する神の神核は強すぎる。

最悪の場合、飲まれて消える」


神核..神格..神用語ってややこしいな。


「君..引っ掛かるのはそこじゃないだろう」


「まぁ、既に一度死んだ身ですし、二度も三度も変わらないでしょう」


「そりゃそうだけどね..。君、思った以上に欠けてるなぁ。実に宜しい。もし人間らしさが抜けきらないようなら少し壊そうかと思っていたんだ」


何を、と聞くのは止めておいた。

藪を突いて邪(蛇)が出てはかなわない。

先程の言葉が、この穏やかな笑みを浮かべる男から発せられたのは違えようのない事実なのだから。

そして忘れてはいけないのが、俺はこの男に殺されたということだ。


「そうだとも、君を殺したのは僕だ。だから僕を、恨み、憎み、そして殺してくれたまえ。君にはその権利がある」


慈しむように俺を撫でておきながら、神はあの日、俺を殺した時と同じ言葉を吐いた。













評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ