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自己紹介1

大変長らくお待たせしました。中々納得する文章にならなかったのと、文化祭用に別の小説を書いていた為、遅くなりました。(けしてサボっていたわけではない)

全員が席に着き、何故か俺だけ神の膝に座らされた中、始めに口を開いたのは赤紫髪の女神だった。


「では、手っ取り早く序列順に参りましょう。私は炉の神 ヘスティア。序列は十二位です。そしてこの子は私の足であるロバのエイピー。ほら、挨拶してらっしゃい」


おっとりとした口調で長い袖を靡かせながらヘスティアが手を振ると、茨の冠をのせたロバが現れた。一度身震いした後、主人の命に従って此方に歩み寄り、一声鳴いた。


「パフ」


ロバは、パフと鳴くのか。知らなかった。

自動的に翻訳された言葉に瞬きを残し、膝へすり寄る存在に手を伸ばす。試しに首筋を撫でてやると、ピクリと耳が動いた。


「あらあら、エイピーが初対面の方に懐くなんて驚きだわ」


僅かに目を見開いたヘスティアは、可笑しそうに笑った。次に口を開いたのは、橙色の短髪を襟足だけ長くした女神だった。


「次はアタシだね。名前はヘファイストス、序列は十一位。鍛冶と炎の神だよ。武器が欲しくなったらいつでも言ってくれ、この金槌(あいぼう)で君にぴったりな半身を造ってみせよう」


カラリと笑って見せた彼女の髪がさらりと揺れ、銀のイヤーカフが覗いた。緻密な細工が施されソレからは、彼女の技術力の高さが伺えた。腰に吊るされた金槌はヘファイストスそのものだ。

続いて声を上げたのは、好き放題に伸ばされたグレーアッシュが目元まで覆う男神だった。


「んじゃ、次は俺ですかね?ヘルメス、序列は十位。商人と旅の守護神。兼、夢と眠りの神。死出の旅路の案内者でもあるんで、若様とは関わる機会多そうッスね。ま、よろしく頼みますわ」


気だるげな声と肘掛けに体重を傾ける様は、一見だらしないように見えるが、この男、全く隙がない。全身を覆うローブは常に神気で覆われおり、浅く腰掛けている為、有事の際は即時対応可能だろう。

その次は淡い桜色の髪をした、若草色のドレスが似合う女神だった。


「なら、次は私。豊穣の神、デメテルよ。序列は九位。気軽にテール、と呼んでちょうだいな。是非、うちの神殿にも遊びにいらしてね。いつでも歓迎するわ」


セミロングの髪は両サイドが編み込まれており、所々にパールをあしらった金のリーフバレッタが華を添えていた。慈愛を含んだ微笑みに居心地が悪くなって視線をそらすと、神に撫でられたので叩き落とした。

そんな俺達を見て笑い声を漏らしたのは、白銀の髪(毛先に進むにつれて青くなる)を左長めのアシンメトリーにした男神。


「ふふ、本当に二人は仲がいいんだね。少し妬けちゃうな。あ、僕はアレス。序列は八位、戦神だから戦闘なら任せて。そして彼は銀狼のディーゴ」


にこにこと微笑むアレスとは対照的に、彼の神気は酷く殺伐としている。その横に控える銀狼は静かに此方を見つめるだけ。その意図を察し、そらさずに見つめ返す。すると、くたりと背が曲がった。


「おお、視線だけで屈服させたのかい?凄いなぁ、これは将来が楽しみだ。ぜひ手合わせ願いたいよ」


口調と神気が一致してない。

何なんだこの男神。

段々とアレスの瞳孔が開いている、

と思ったら視界を塞がれた。


「彼は戦闘狂でね、スイッチが入ると人格が変わるんだ。毛先が赤くなったら気を付けるんだよ。ついでに言うと蛇よりしつこいから」


囁き声に頷くと、あっさり視界が戻ってきた。助けてくれたのは有難いが、もれなく嬉しくない情報も付いてきた。恐らく、というよりほぼ確実に俺が感じた敵意はアレスのものだろう。

少し盛り下がった空気を仕切り直すように、美しいプラチナブロンドを靡かせた女神が口を開いた。


「私はアフロディーテ、美と愛と性の神よ。序列は七位。恋愛相談からあっちの手解きまで全て任せて頂戴!ちなみに私も一応戦神よ」


そこにあるのは全ての理想を詰め込んだ美の集合体。気品とオーラを兼ね備えた完璧な存在。その微笑みの破壊力足るや...





エイピーは、ギリシャ語で希望という意味のエイピーダから。ディーゴは、ギリシャ語で道しるべという意味のエディゴーシュから。

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