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登場人物の所に地図をいれてみました。


「おおー」

翌日の朝 俺は書庫に来ていた。

書庫は屋敷から西に下ったところにある石造りの小屋で歴代の当主が集めてきた本が所蔵されている。ここでは本はとても貴重なものなので火事で失われないように屋根も石造りとなっている。


扉を開けると乱雑に本が置かれている。


「この辺りが歴史の本と地理の本 あちらが数学の本 あの棚にあるのが神話の本になっています。 まあ散らかっているんで大体ですがね」

と言いながらリュートは苦笑いをうかべる。


「昼までここで本を読んでいるから鍛練にいっていてもいいぞ」


「い いやしかし…… 」


「大丈夫 大丈夫 ここは屋敷の敷地内だし リュートもいざというとき体がなまっていちゃ困るだろう」


「そこまでいうならわかりました でもエリク様ここから動き回らないで下さいね」


「わかってる じゃあな」


「では 失礼します」


よし行ったか

俺が今日書庫に来たのは一つはこの世界のレベルや常識を知ることもう一つは現代の知識を出すときに本を読んだ、本に書いてあったといって出すためだ。


というわけで早速地理の本の山から一冊引っ張り出して書庫をでてすぐの石に座って読む。

本の表紙にはなにも書いていない。

中を見てみると南の方にあるイーストリル王国について書いてあるようだが字が崩れていて読みにくい上にページなんかもバラバラで本というよりメモの集まりを綴じたような感じだな。結局昼までかかってわかったのはイーストリル王国が山がちであること、南方との貿易を行っていること、水軍が強力なことぐらいだった。


昼が終わると自室で糞の肥料としての利用について簡単に書面にまとめて父上の所に持って行く。


「父上 エリクです」


「おお 入っていいぞ」


「失礼します」

父上の仕事部屋に入ると中に父上以外に二人の男がいた。

一人はくすんだ金髪に緑の目をしたルドルフ ルークの父親、でもう一人は茶髪茶眼で大柄なクリストフだ ちなみにクリストフはリュートの舅にあたる。


「どうしたなにかあったのか?」

父上が訝しげな顔で聞いてくる。

「はい これを見ていただきたいのですが」

三人がのぞきこむ。

「家畜及び人間の便を用いた肥料の生産?」


「はい 今は落ち葉と灰しか肥料にしてませんよね」


「ああ そうだな」


「そこで便を肥料として使うのです。今は糞尿は村のはずれに捨てていますよね。特に夏になると臭いですし病気のもとになるかもしれません」

こちらではもちろん菌やウイルスなどは知られていないが汚いほど病気になりやすいというのは何となく知られている。


「作物に糞尿をまくというのはどうもなあ。大体どうしてそんなことを思い付いたんだ?」


「書庫の本です。イーストリル王国についてのものだったのですがそのなかに便を貯めて肥料にすると書いてありました。はじめは畑の一部に使ってみるというのはどうでしょう」


「う~ん でもなあー」


「いいじゃないですか、やってみれば」

口を開いたのは意外にも脳筋っぽいクリストフだった。

「まあそうだな。 よし、クリストフ お前がやれ 場所は川の向こう側で適当に選んでくれ 人は そうだな 石を掘らせているやつから十人くらい持っていけ」


「はっ では早速候補地を見て回りますので失礼します。」


あのあとリュートは部屋に残り、俺とルドルフさんは乗馬の訓練をしに厩にきていた。


「おお ベルンシュタイン 元気そうだな」

俺を振り落とした栗毛の馬は振り落としたことなど覚えていないようにいつも通りだった。まあ実際覚えてないのだろうが。

「よいですか。馬はこうやられるといやがるのでこうやって下さい」

馬の世話は必要な部分は厩番がやるのだが馬と人とのコミュニケーションという面もあるので毛並みを整えたりは必要だ。


「では今日は手綱を離さないで下さいね」

ルドルフが念を押してくる

「わかってる さすがにこないだのはゴメンだ」


「まずは常歩を習得しましょう」

なみあしというのは馬の歩法のなかで一番遅い歩き方でゆっくり歩く歩き方だ。それでも秒速二メートルほど 人にして見るとはや歩き の速さである。しかし……


「おい ベルン」

馬になめられているのかほとんど動かず文字通り道草を食っている。


結局 その日はベルンが歩くことはなかった。 



================================

ルドルフとエリクが乗馬に出ていったあとハンス(エリクの父)とリュートはエリクについて話していた。


「体のほうは一安心かそれは良かった。それで勉強のほうはどうなんだ?今日の計画書はえらくできが良かったがお前が手を貸したのか?」


「それが実は…………   という訳でして」


「はじめて半年もたたないうちに代数全論を終えるとはわが息子ながら末恐ろしいな  でこれが?」


「はい 石板に書いてあったものの写しです。エリク様は間違えたとおっしゃいましたが、どうも挙動不審だったもので一応と。数学に詳しい旦那様ならと」


「おっ おっ こっ これは   いや間違いない 確かに解けている」

ハンスは興奮気味になっている

「っということはつまり」


「こうしてはおれん どうやって思い付いたのか聞かねば」


「旦那様お待ちください 」

リュートは今にも飛び出そうとするハンスを制止する

「なんだ」


「エリク様は何となく思い浮かぶとおっしゃってました。それに今日の計画書といい もしかすると知恵の女神が加護を与えて下さったのかもしれません」


「となると」


「はい 知恵の女神は自らの加護があるとあたえたものが気付いたら加護を消すと言われています。」


「そうだな ではそっとしておくか  引き続きまたなにかあれば教えてくれ 」


「わかりました では失礼します」


転生後はじめてのがゴブリンでも盗賊と馬車でもなく糞というのが………


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