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ちょっと短いけれどきりがいいので

「ふぁーあ」

窓の木戸の隙間から光が溢れてくる。

何だか昨日は夢でも見ているのかとも思ったがこうして目覚めると転生したんだなーと実感する。こっちの生活も案外違和感がない。いまだって上半身裸で寝てたが特に気にならなかった。


「エリク様 おはようございます」


「リュート おはよう」


「今日はどうされますか?」

長いズボンを履きながら答える。

「昼まではちょっと屋敷のまわりを歩いて体の調子をみようと思う。勉強と乗馬は昼から」

 

「乗馬ですか?もう一日様子を見ては?」


「そうだね 今日はふれあう程度にしとくよ。」


「わかりました。午前の散策ですがニースとヒーラを呼んできますので屋敷の前でお待ち下さい」


「あっ リュートちょっと待って このマントつけてくれない?」




リュートにマントをつけてもらって屋敷の前まで移動する。

今の俺の服装は上は薄い青の長袖の厚手の服、下は白の長ズボンそれに前で紐でとめるマントをはおって腰には一応剣を下げている。剣はかなり高価な物なので一般の兵士には持てないので身分を表すものとしてちょうどよい。


そんなことを考えているとリュートたちがはや歩きで戻ってきた。


「お待たせしましたエリク様」


「よし いこうか」


屋敷の東側を北から南に流れるバーレン川に沿って南に歩く。屋敷は少し高台にありなだらかな坂を下り終えると村の入り口になっている。

このドーパ村はバーレン領内最大の村で人口は周辺とあわせて千人ほど。主な作物は麦と豆であり今の時期は麦の刈り入れ前なので畑の半分ほどは金色の海になっている。


「ターレン 麦の様子はどうだ」


「おお これは若様 小麦はこのままいけば豊作になりそうです。ライ麦のほうは少し鳥にやられましたが悪くはありませぬ」


「そうか、それはよかった。  ちなみに堆肥には何を使っているんだ?」


「落ち葉と灰をまぜるたものを混ぜこんでおくとよく育ちます。ただ灰は量が足りないので小麦の一部にしか使えてませぬ」


やはりそうか 糞尿系の肥料は使われていないようだ。まあ気温が寒く発酵しないというのが原因かもしれない。堆肥にするには確か水分空気温度微生物の四つが必要だったはず。屋敷に帰ってから検討してみるか。


「そうか 豆のほうはどうだ?」


「グリシ豆は今撒いているところです。ビグナ豆は芽が出てきたので雑草をぬく作業が主です」


「ビグナ豆は緑の豆のことだな?」


「はい ビグナ豆は緑で粥にして食べるか酒にします。グリシ豆は絞って油を作るために使います。植える量ではビグナ豆がほとんどです。」


「なるほど 勉強になった」




 

ターレンと別れて村の中心部へと向かう


「おっ おーい ルーク」


「あっ エリク様 大丈夫だった?」 

このルークの父親が父上の従兄弟にあたるのでルークと俺とははとこの関係にあたり年が近いこともあって俺の一番の遊び相手になっている。


「ああ もう大丈夫だ。心配かけたな」


「元気そうでよかった。今日は?」


「散策だ。このあとは南を回って帰るだけだが来るか?」


「行きます」





「エリク様 あれは何ですか?」


「ん どれだ?」


「あの黒い樽です」


「んー わからん リュート わかるか?」


「あれは供え物用の酒ですね。普通の酒と区別するために黒く塗っているのでしょう。」


「そうか、麦の収穫が終わると感謝祭だったな」


「お二方とも昨年みたいにはしゃぎまわらないで下さいね」


「わかった」


「気をつけます」


「よし そろそろ帰るかな」


「エリク様 体調の方は……」


「ああ 特に問題無さそうだな 痛いところもない」



北へ10分も歩くと屋敷のほど近くまで帰ってきた。


「じゃあ ルーク また」


「じゃあね エリク様」

ルークと別れて帰ると屋敷の前に可愛らしい女の子が膨れっ面で仁王立ちしている。


「エリク やっと帰ってきたわね」


「姉上」



姉と友人登場です

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