プロローグ
あまりにも科学すぎるとつまらなさそうなので知識チートとかも入れていこうかと思います。
その日はいつもよりはしゃいでいた。
「父上~ どうですか 乗れるようになりましたよー」
「おお なかなかものになっているじゃないか」
「おーい リュート ほら 手離しても乗れるぞー」
「おい エリク 手綱から手を離すんじゃない」
「わっ おい 止まれ 止まれ」
「エリク 手綱を……
ゴチンッ そこで意識が途切れた。
「エリク エリク」
誰かが呼んでいる
あれ? ここどこだ
目の前にいる人も見覚えがない
「目を覚ましたのね エリク」
「母上」
母上?何でそんなこと思ったんだ?
「よかった あなたに何かあったらと思うともう心配で」
「心配かけて申し訳ありません」
っていうかエリクって俺のことか?俺はそんな名前じゃ………あれ俺の名前は?
「これは一体?」
「覚えていないの?あなた馬から落ちて丸一日目を覚まさなかったのよ」
あれっと思ったとたん頭の中にすごい量の情報が流れ込んできて俺は再び意識を失った。
あーすべて思い出した。俺ことエリク・フラー・バーレンは馬に乗れるようになって嬉しくて屋敷前を駆け回り調子に乗って手綱を離して落馬、頭を打って前世の記憶っぽいのを思い出したというわけだ。でもこの記憶、名前どころか家族、友人の顔や思い出、いわゆるエピソード記憶はほとんど抜けている。あるのはただ「異世界転生したいなあー」とか言っていたことだけだ。
もしかして神様が転生させてくれたのか?俺全然信心深くなかったんだがちょっと信じてみてもいいかもしれない。あー神様仏様ゼウス様アッラー様転生させて頂きありがとうございます。
まあ前の俺はおいといて今の俺の方を紹介しよう。あらためてエリク・フラー・バーレン8才だ。父上がここら一帯の領主のバーレン男爵で俺には兄弟は4つ上の姉しかいないから俺が後継ぎということになる。貴族きたー勝ち組きたーとか思っていたけどわがバーレン男爵領は東は山、西も山、北は未開の森がありその向こうは山、南に行けば行くほど東西の山がせまってきて南にでる道は谷底のせまい川沿いの道のみ。ちなみに馬車も通れない上に川には滝があるので水運も不可という天然の要塞ぶりで20日に一度くる商人が唯一の物流。何でも400年ほど前のご先祖様が一年ぶりに王都に税を納めにいくと違う王朝になっていて驚いたなんて話が領内で冗談として話されるぐらいにほとんど気にされない。まあスローライフとして考えれば悪くないか。と目を閉じたまま考えていたがいい加減起きるか。
「うーん」
「エリク様お目覚めですか?」
「おはよう マリア どれだけ寝てたかわかるかい?」
「いったん起きられてから半日ほどたって今は日がでる頃です。奥様をお呼びしますね」
バタンッ
ドアを開けて金髪茶眼の女性が入ってくる。
美人というより可愛らしい雰囲気をもっている。
「エリクー 目を覚ましたのね」
「母上 もう大丈夫です そんなに抱きつかないで下さい」
いや まじで 記憶が混じったせいで純粋に女として見てしまいそうだ。とくにその胸なんかをおしつけられるととくに。さすがに母に劣情を抱きたくはない。
「エリクそんな冷たいこと言わないで 痛いとこない?頭は大丈夫?」
「母上その言い方はやめてください。いまのところ痛みはありません。」
「エリク」
「あっ 父上」
「怪我は大丈夫か?」
「大丈夫です。心配かけて申し訳ありません」
「まあ 次からははしゃぎすぎないようにな。大丈夫そうだが今日は一応寝ておけ」
「わかりました。」
「二日間食べていなかったんだ。腹が減っているだろう。もうすぐ昼だが先に何か食べておけ」
「そうですね。 マリア グリッシュさんから何かもらってきて」
「わかりました。では失礼いたします」
バタン
「エリク様ー あれほど手綱は離さないようにって言いましたよねー」
「ご ごめん リュート そんなに怒らないで」
リュートは俺の教育係兼護衛で俺の侍女であるマリアの息子だ。
「怒りもしますよ。もしエリク様に何かあったらと思うと」
「心配させてごめん。次からは気をつけるから」
「では我々は失礼しようか」
「そうね もう大丈夫そうだわ」
「あっすみません 旦那様 奥様」
「いいのよ もっと怒ってやって」
「母上ー それはないですよー」
「エリク様 失礼します ヤギの乳を暖めたものです」
「あれ それにしてはいやな臭いがしないね」
記憶によるとヤギの乳ってかなり臭かったと思うんだが
「はい 何でも飲みやすくするためにコリン村の果物を使ったそうです」
「あっ 美味しい 内側から温まるー」
「それはよかったです」
「ちょっと暗いな リュート 窓開けて」
リュートがベッドと反対側にある木の扉を開ける
「うわあー」
青い空に白い雲、遠くに見える山々 気持ちよく吹き込んでくる春風
「どうかされましたか?」
リュートが聞いてくる。そらそうかいつも通りの風景だもんな
「いや 山に残る雪がきれいだなと思って」
下を見ると緑の森が空には太陽が
地球も昔はこうだったのかなあー
うん?なんかおかしくないか?ここ異世界だよな。何でこんなに地球とにてるんだ?というかこの世界には魔法らしきものはない。少なくとも俺が知る限りは。ここホントに異世界か?
こうして俺の異世界?ライフが始まった。
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