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ちょっと微熱があるので勉強しないで投稿します

「あの辺が家 あっちの作りかけのが倉庫だ。」

ルーツェリカさんの大雑把な解説を聞きながら村を歩く。前に来たのは3年前なのでそのときからは大分変わっている。

「ここも作りはじめて10年だ。あの倉庫が完成したらひととおり必要なものが揃うな」

倉庫 オーブン 民家 小型の祭壇 粉引き小屋 家畜小屋 そして周りを囲む柵 

「それにしても柵がものものしくないですか?」

柵のまわりには空堀もあるうえ土台は土で固められている。それに柵の高さも高い。

「ああ ギール人どもの襲撃があってな」

「ギール人がですか?」

ギール人は普段森の中で暮らしていてあまり外と関わって来ないのだが

「何度かな それ以来警備の兵を20人から60人に増やして警戒させている」

「川の南側には来ないと思っていたのですが」

「いや東のイル族のやつらは川の南にはこないがこっちのアル族は好戦的でな  まあそのお陰でギール人の奴隷を売って開発が進んだから必ずしも悪いとは言えないか」

「アル族とかイル族とかってなんですか?」

「ああ 知らなかったのか ひとくくりにギール人と言ってもいくつかの部族に分かれててな 部族同士でも争ってるんだよ 大きいのが五つあって西南のアル族 東南のイル族 中央のウル族 北東のエル族 北西のオル族だ  それぞれ覇権をかけて争ってるって言うのが捕まえたアル族の体に聞いた答えだ。そう言えばここ二三年はこないな」

それは貴女が暴れたからではと言いたくなるが黙っておこう

「それで職人たちはどちらに?」

「ああ 案内しよう」


村の南の端に移動すると仮設ではなく下半分がレンガの立派な工房が出来ていた。

「こっちに来てから数日なのにもう出来たんですか?」

「いや もともと武器庫だったものに手を加えただけだよ  商売道具は彼ら自身持ってきたから楽だったよ」






「エリク様 鋳造職人をやっているエッカルトと申します」

「私は鍛冶のグンターという 家族ごとの移住を認めて頂き感謝する」

聞けばどちらも工房の次男三男で妻を持ったがいいが継がせるものがなく子供をどうしようか迷っていてこの話を受けたそうだ。フラー伯領は鍛冶が進んでいるので他の領地にいけばよい待遇で迎えられるかもしれないが移住には基本領主の許可が必要なので実家の工房で手伝いをするしかなかったようだ。


「それで本題なのだが この歯車は……………………                            ということでエッカルトには歯車 グンターには焼きごてを作って欲しい」

「エリク様  材料の黄銅はしばらくは持ちますがそのあとは  青銅ならここの設備と鉱石から何とか作れると思いますが黄銅は」

「大量に作るとなると材料を輸入はなあ」

あの道を鉱石を持って登るのは難しい 下りは何とかなっても登りは相当な重労働だ。それに安定性という意味でも領内の材料から作れるのは大事だ。

「じゃあ とりあえず両方作ってみてくれ」

困ったときは二兎を追う。悪い癖だが今回はまあ片方を切り捨てるよりいいだろう。



焼きごての方は特に支障が無さそうなので視察の足を開拓村の南に向ける。南の門から出ると畑が広がっている。

「これは」

「カブだ。非常時の食用や馬の飼料 それから種からは油を絞っている。」

救荒作物ってわけか それにしても 少し持ち上げてみるがどうも紫に見える

「カブってこんなに紫でしたっけ」

馬にやっているのを見たがここまで濃い紫ではなかったと思う

「ああ これは飼料専用ではないからな 種類の違いだ」



カブの畑を抜けて林に入る。があることに気づいて足を止める。この辺で伐られている木が一本もないのだ。

「ここって薪取り用の林じゃないんですか?」

「ああ農地の拡大は東側にしているからな そのはずだ 森の入り口で切り株を見ただろう  職人たちにもここを使ってもらおうと思っている。」

そうか開拓のための森の切り開き方しか知らないのか

「ルーツェリカさん この取り方で薪をとっていたら森が無くなります」

「ええっ どうしてだい?」

「薪をとるときは林全体から少しずつ切り取るのが望ましいです。林のなかに光が入るので新しい木が育つんです。でも外側から切り倒していくとそこは草原になってしまい森がどんどん狭くなってしまいます」

「どっどうすればいい?」

「そうですね 例えばですがそれぞれの木の同じ場所  例えば南側の膝の高さ  に1から10までの数を林を歩きながら順番に振っていきます。 例えばこの木に1 隣の木に2 あっちの木に3  と振っていって10まで来たら次の木にはまた1とやってこれを林のすべての木に行います。そしてその年に薪にしてよい木を1の木だけと決めます。そして次の年は2の木だけと順番にしていくと次に1の木を切る年には切った切り株から新しく木が生えています。これを繰り返せば林が無くなることはありません またこの林からどれだけの薪がとれるのかが安定するので計画も立てやすくなります 」

「おお 聞いてはいたけどまさに天才だな」

なんかこんなことで誉められると恥ずかしくなるな

「エリク様 今の話 我が父にしても? 実は父もエピネ村の林の管理に頭を悩ませておりまして」

「ケインがか? 別に構わないぞ ただよく説明してシステムを民衆に理解させろとは言っておいてくれ」








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