レイン・ドンいう勇者
「起きなさい、私のかわいいレイン」
この声で起きる朝はなんて素晴らしいのだろう。日本に居たころは五月蝿いおばさんに起こされるのが常だった。俺【レイン・ドン】は日本というこの世界には無い国、つまるところの異世界からの転生者だ。修学旅行の途中に飛行機が墜落し、影の薄い同級生を犠牲にして救助ボートに乗ったのだが救助された時の安心感で、そのまま帰らぬ人となった。それを悲しんでくれたのがこの世界の女神【シャトレーゼ】様だった。彼女は俺に転生特典を与えてくれた。
・魅惑の瞳…人を意のままに操ることが出来る(但し対象者が術者以上に、愛する者がいると無効)
・祝福の時…自分に起こる災難がラッキースケベに変わる(但し、スケベさせてくれる対象者が術者以上に、愛する者がいると無効)
という、2つを貰った。前世もそうだが自分はかなりルックスもよく今世もいい。自分の周りの殆んど(ブスは除く)は自分の言いなりになっている。日本での知識を披露し天下を目指そうと思った矢先にとんでもないことが起こった。この世界で15歳になると職業選定というのがある、それで俺は勇者に選ばれたのだ!
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王都に招かれて、勇者になるための特訓を1年積んだ。勇者というのは素晴らしく10回の腕立て伏せのトレーニングが100回分と同じトレーニング量になる。このお陰で俺の様々なレベルはあっという間に最高といわれる『MAX』となった。噂に聞くと『MAX』の上もあるそうだがまずこれぐらいあれば大丈夫だろう。
ハーレムメンバーも順次増やしていった。故郷に残しているメンバーは2軍で、綺麗な貴族の娘が1軍。そして、勇者パーティは『正妻』だ。これは男の夢だろう。更に王様からの褒美として姫も貰えるそうだ。ということは俺は国の王にもなれるということだ!まさに痛快、成り上がり物語だ!王になって跡継ぎが生まれその息子が成人したら、自分は隠居しよう。その時にまたハーレムを作るのも良いかもしれない。
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おかしい、何故パーティの女性軍は自分に見向きもしない?!ウィンクしても靡かないし、つり橋効果を狙うも失敗するし…俺は、女神に転生特典を貰った男だぞ!顔だってカッコいいし、何しろ勇者だ!旅に出て半年もたつのに誰とも肉体関係を結べないのは不味い。だが強姦はもっと不味い。自分からお願いしてくるようにならないと。清楚系のサイゼリアに無理に迫ったら、汚物を見るような目で拒否され説教を食らった。
「なぁ、サイゼリア。今夜にその…どうだ?」
「いいですか勇者様。私たちは魔王を倒す為に旅をしているのです。夜の事情に裂く時間がおありなら少しでも体力の回復に努めるべきです。どうしても我慢できないのなら、娼婦館に行って来てください。聖女の力の根源は『純潔』ですので。そもそも、薄っぺらい貴方となんか寝たくありません。寝た瞬間、私は自害します。ですから、勇者様は部屋にお戻りになって右手の恋人と戯れてなさい」
「お、おう」
凄く馬鹿にされた気がする。妹系のガストに言い寄ったがそのときの記憶が無い。デミタスに関しては…あいつは地雷女のような気がするからパスだ。だがまだ魔王城までは距離がある。その間に落とせば良いだけだ!
この時、彼は知る由も無かった。魔王を倒した瞬間、自分のパーティが目の前から消えることを…そして、1人悲しく王都に帰ると素晴らしいハーレムを築いている男がいてその男が自分と同胞だと知ることになる。
to be continued