ガスト・スカイラークという義妹
兄、それは血縁上で自分より年上で男性を示すもの。そこに義理を示す『義』をつけると素晴らしい『義兄』になる。
義兄であるジョナサン兄さんに出会ったのは4歳の頃。私の両親は何かの病気が元で死んでしまったと義父に教わったがそれは違うと思う。きっと愛の神様が私と兄さんを合わせる為にきっかけを作ってくれたんだと思う。そうでなくちゃこんな魅力的な兄さんとは永遠に会えないと思うから。始めてあった時から胸の高鳴りが止まらない。
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私が5歳になると兄さんが一緒にお風呂に入ってくれなくなった。なんで?と聞くと
「女の子と一緒のお風呂にはいるのは5歳までて決めているんだ。一人前の男になりたいからね」
いいえ、兄さんは世界で一番の男前です。他のおちゃらけた男の子とは違う、女性に優しい男に成っていますよ。だけどその性で、サイゼリアとかいう豚の隣にいつもいて目障りですが
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やはりこの世には愛以外の神様は、必要ないと思う。なんで結婚できるのは15歳からなのか、またその法律を考えた大臣を血祭りにあげたい。サイゼリアが勝ち誇った顔をしているのが無性にムカつく。明日の職業選定の後に絶対に思いを告げるはずだ。そうはさせない。来年は私も受けるものだからというごり押しで、同行することが出来た。これも愛がなせる業だ。さぁ、兄さんあなたの職業はなんですか?私的には、あの雌豚の旦那という物でなければ何でも良いですけど
「おぉ!『騎士』の職業だ!王都に行きみなを守る素晴らしい職業です!」
流石、私の兄さんです。騎士という素晴らしい職業に就くことが決まりました。だけどこの町を離れて、王都に行くことは許しがたいです。やはり愛の神様以外は要らないでしょう。悪魔にでも願えば叶うのでしょうか?忌々しいことに、雌豚も王都行きの職業に就きました。これは大変です。私も王都行きの職業になれるように努力しなくいては
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兄さんの職業が『騎士』に選ばれて、1年が経ち遂にここまで来た。今日は私の職業選定の日。私は教会で過去の資料を読み漁り、職業選定の選ばれる職種の傾向を調べた。
どうやら魔法の属性・人の特性によって決まることが分かった。土属性の魔力が強ければ農民・水属性の魔力が強ければ漁師となり、視力と聴力がよければ猟師・内なる剣術があれば騎士になるようだ。恐らく、あの雌豚は光属性の魔力が特化しているから『聖女』になったのだろう。なら私は全属性を掌握する『大魔法導士』になろう。全属性を均等に鍛えるのは大変だったが【兄さんのパンツ】のおかげで苦ではなかった。
「次!ガスト・スカイラーク、前に」
「はい」
女神【シャトレーゼ】に祈りを捧げて紙に力を籠めた。浮かび上がった職業は
「んん?『探し人』…」
私は軽く紙に魔力を通しすぎたようだ。更にこめると
「おぉ!!『大魔法導士』かつて勇者と旅に出て悪を蹴散らした勇者の右腕が現れたぞ!」
これで王都行きはゲットです。
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妹というものは素晴らしい。実にいい。その立場を利用すれば擬似的だが同棲生活が出来る。あの雌豚に取られた『兄さん分』を充分に補給できる。寝顔も私の独り占めだ。
キン!
たまに殺気のこもった、細い針金?状の武器が窓越しに私に投げられてくるが問題ない。私と兄さん、そして愛の巣の周りには特殊な結界が張ってあるから魔王ぐらいじゃないと破れないだろう。フン、正妻の余裕です。義理ならば結婚できるんですよ?明日は式場の下見にでも行こうかな?
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緊急事態です。勇者が見つかってしまいました。甘い同棲生活も終わってしまいます。勇者を暗殺しなくてはいけないかもしれません。いえ…勇者は道具、魔王を倒す剣です。終わったら捨てれば良いだけです。そうだ、兄さんの家の玄関に移動用魔法陣を書いておきましょう。魔王を倒した瞬間、帰宅です。即帰宅。
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兄さん、あぁ兄さん。この勇者殺して良いですか?私をいやらしい目で見てくるんです。即殺していいですか?傀儡にしてしまえばいいのではないでしょうか?兄さんの匂いが染み付いた下着のストックもなくなってきています。…ところで雌豚、その指輪を渡してもらいましょうか?いえ、呪いがかかっている可能性があるので…
to be continued