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サイゼリア・イタリアーノという女

 私の名前はサイゼリア・イタリアーノ。年齢は5歳。フード王国の片田舎に住んでいる恋する乙女。恋する相手は、ジョナサン。彼はほかの同年代の男の子よりも落ち着いていて優しさがあるの。そして努力も怠らない。そんな素敵な彼に恋するのは当たり前だと思う。彼も私のことを意識してるみたいだし、彼から告白が無かったら私から告白しようかしら。だけど、この国では15歳の職業選択が終わらないと結婚が出来ない。早く大人になりたいな。


~~~~~~~


 ある日、彼のうちに養子が来た。名前はガストという男の子っぽい名前だけど女の子だそうだ。彼のお義父様の弟の娘で、両親が2人とも病没した為に唯一身内の彼を頼ったらしい。そして、ジョナサンはとても素敵だ。右も左も分からない彼女の世話を甲斐甲斐しく焼いている。むぅ、少しうらやましい。しかも、一緒にお風呂まで入っているそうだ。私とは5歳になったら入らなくなったのに… 1歳しか違わないのに。


~~~~~~~


 10歳になった、あと5年で彼と結ばれると思うとドキドキが止まらない。もう、神様はなんで結婚できる年齢を15歳なんてしたんだろう。2人が愛し合っていれば年齢なんて関係ないのに。だが、今それはそれは保険にも変わった。養子に入ったガストだが間違いなく彼女はジョナサンを兄ではなく異性として好んでいる節がある。もし、年齢制限がなかったら先に彼女がジョナサンに結婚を申し込んだかもしれないからだ。こちらは1年先に生まれたから勝つのはこちらだ。やった!


~~~~~~~


 長かったわ。明日はいよいよ職業選択の日、なぜかガストも付いて来ているがまぁいいわ。この選択が終わったらすぐにでも結婚を申し込むわ。ジョナサンからなんて待ってられない、自分から行かないと!

 女神様に祈りを捧げる


「どうか、職業がジョナサンの隣に立てるものでありますように!針子でもいいので!」


必死に願掛けをしたが無駄だった。何故なら私は『聖女』に選ばれてしまったから。問答無用で王都に連れて行かれて私は内心イラつき気味だった。だけど、ジョナサンも王都行きが決まっていた。彼は『騎士』になるそうだ。ライバルであるガストもいないことだしゆっくり愛を深められると思った。

 しかし、王都に来てからは勉強に魔法の練習ばかりでジョナサンにはあまり会えずにいた。しかも、聖女は純潔こそが強さだとかでキスも禁止された。だけど不が続くと良いこともおきた。なんとジョナサンから告白されたのだ!魔王がこの世を去ってからということだったが結婚の約束をしてくれた。彼の手作り指輪を指に嵌めて今日も頑張ろうと思える。


 だが、また良いことがおきると不がくる。ガストも王都に来たのだ。『大魔法導士』という職業に選ばれたらしく王都で修行することになったのだ。し・か・も!ジョナサンと同じ家で暮らすというではないか!ずるい!だが、私にはジョナサンから結婚の約束とその証を貰っているのだ!負けるわけにはいけない!

 そして、魔王を倒す旅立ちの前日にジョナサンが決起会を開いてくれた。な・ぜ・か!女騎士団長もいるがまぁいいだろう。正妻の余裕というものよ。


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 王都を離れ魔王を倒す旅に出て半年がたつと私はある禁断症状に悩まされた。【ジョナサン禁断】だ。始めは気のせいだと思ったが、明かにまずい。彼から送られたこの指輪が無かったら私は発狂していたかもしれない。ふと横を見ると、マスクをしているガストと目が会う。

 ・・・そのマスクの布切れジョナサンの下着じゃないのか?

また前を歩く騎士団長を見ると、しきりに短剣を撫でている。とうとう気が触れたのかな?

 現在進行形でもっともイラつくのが勇者だ。肉体関係を迫ってくるのだ。しきりに片目を閉じてくる。なにかしらそれは?早くジョナサンに会いたい。


to be continued



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