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引退変身ヒーロー、学校へ行く!  作者: 雑種犬
第2話 少年が出会う真実
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2-1

「そういえば誠君、家族の人いないんだよね。一人暮らし?」

「うん、近くの学生向けアパートで丁度いい所があって」

「へ~、大変だね」


 真愛さんと「途中まで」と一緒に帰る途中の会話の流れで僕の生活の話になる。


「いや大変ってほどじゃないよ。学校もスーパーもコンビニも近いし」

「いいなぁ、一人暮らし憧れちゃうなぁ」

「なにより刺客が来ないのが何よりだよね」

「ふふ、そんなの気にするの誠君ぐらいよ」

「あ~、他のヒーローって豪気な人が多いからね」

「もぉ、そういう話じゃないよ。でもさ、ご飯とかはどうしてるの?」

「自炊だよ」


 言い切った直後に自信がなくなる。


「……自炊でやってこうと思うんだけど、自炊出来たらいいな、メイビー……」

「そ、そうなんだ」

「ほら引っ越してきたばかりだし、バタバタしてたし……」

「まあまあ、しょうがないよ。それに昨日まで遠出してたんでしょ?これから頑張ろ!」


 真愛さんが笑顔で慰めてくれる。いやぁ真愛さんはまるで天使だなあ。たまに鎌や鉈でバラバラにする翼と輪をつけた狂信者(宗教テロリスト)とは偉い違いだ。


「うん、それに自炊の第一歩と言うわけでもないけど、引っ越しの翌日にオネウチストアで色々と買い込んできたんだ」


 ネットで話題のディスカウントストアだけあって、最寄りのスーパーよりも明らかに安いお店でした。


「え!?遠かったでしょ。その上、荷物もって……」

「ん?パワーアシストもあるし楽だったけど」

「パワーアシストって自転車?」

「徒歩だけど?」

「徒歩でパワーアシスト……あっ!!」


答えを思いついたのか「しまった」という顔で口元に手を当てる真愛さん。

 

マッドかつクレイジー(ザ・エンペラー)が弄くった改造人間ですので」

「私は変身しないと体力はただの人だから、その感覚はよく分からないけど大丈夫なの?」

「あ~、eco(エコ)モードからミディアムモードに切り替わったぐらい?お米とか重い物も買って」

「マッドかつクレイジーなのにecoモードとかつけてくれるんだ……」


 怪訝な顔をする真愛さん。おっと、丁度、アパートの屋根が見えた。


「あそこが僕の住んでるアパートだよ」

「え~、そうなんだ!?」


 真愛さんは僕が指差した建物を見て驚いたような声を上げた。


「え?どうしたの?」

「あそこ大家、私のお祖母ちゃん。で、その隣の瓦屋根の家が私の家だよ!」

「それは凄い偶然だねぇ」

「ふふ、よろしくね。お隣さん!」




 ガチャ、カチッ。

 自室に戻り、鍵を掛ける。よし、落ち着け~、落ち着け僕。


 えーと、確かラブリー☆キュートのお祖母ちゃんはキュートの隣の家に住んでいたハズで、それが今はキュートの家で同居してて、お祖母ちゃん宅の跡地がこのアパートになったという事かな。そしてキュートはお祖母ちゃんっ子でいくつものエピソードにお祖母ちゃんの家は登場していた。


 いや、ドラマの話を鵜呑みにしすぎるのも危ないぞ。ただ僕の想像が全て正しかった場合……


「ここは聖地だ!」

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