私が死んだ日
まずはパラサイト・エデン 私の異世界戦争記を閲覧して頂きありがとうございます。
何分初投稿の作品なので、何かと至らぬ点があるかと思われますが。どうかご容赦を…
「大学受験に失敗した」
この時期の高校生にとってそれは死刑宣告と同義と言えた。季節は最早2月の中頃。そろそろ春の兆しが見え始める頃合いだ、そんな時期に最後の希望だった短大に落ちてしまった。最早私に受ける事の出来る大学は無く、一年間を棒に振ることが確定となってしまった
「鬱だ死のう…」
昼間だと言うのにカーテンを閉め切った部屋は薄暗く。唯一の明かりは私の眼の前にあるパソコンの画面から発せられる光のみ。そして私は最早口癖となった言葉を口にしながら敵を殺し続けていた。
…無論それは今私がプレイしているゲームの中での話だ。「夢の大双樹」と言う名前のこのゲームは、所謂MMORPGと呼ばれるもので、簡単に言えば沢山のプレイヤーが一つの世界を冒険すると言うものだ。大学受験に失敗してからと言う物。私は現実から逃げるようにこの世界にハマりこんだ。MMORPG史上最大のオープンワールドと最大200職以上の豊富な職業。そして一度プレイした人間を虜にする壮大な世界観と他の追随を許さない圧倒的自由度によって販売開始から僅か1年で全世界5000万人以上がプレイする世界最大のMMORPGとなっっていた。
このゲーム最大の目玉は自由度だ。装備やアイテムのトレードシステム(課金アイテムはトレード不可)はもちろん。未開拓のエリアを自由に開拓できるし。運営側から許可が出れば自分が領主として街を作ることもできる。極めつけは…
「PKがどこでもできる」
一見すれば他のゲームにもあるありふれた要素だが。このゲーム内に置いて
「PKが出来ないエリアはない」
ゲームをスタートしてから自分専用のセーフハウスを購入するまではシールドと言われる防御システムでPKされる心配はない。ただしセーフハウスを購入すると同時にその効果は消え。再びセーフハウスから外に出ると同時にPLの攻撃が通るようになる。つまりはPKされるようになる
因みにこのゲーム内に置いてPKされないのは自分のセーフハウスと所属ギルドのギルドハウス並びにギルド勢力範囲のみ(尚ギルド勢力範囲内でPKすること自体は可能だが。これは後で説明する)。しかもNPCを殺す事は出来ないし、破壊不能エリア内、例えば町や村、都市や運営直轄の王都などでは建築物や地面などを破壊する事もできない、できるのはPKのみだ
この何時PKされるかもわからない恐怖とスリルに病み付きになるものもいるが、大半のPLはこれに関してのみ否定的だ。
「安心できないと」
そしてこのゲーム最大の賛否両論別れるPK要素。何と「PKしたPLが所持していたアイテムとセーフハウス内に保管してあるアイテム(装備含む)を制限時間2分間の間に戦利品として奪う事が出来る」のだ。k炉絵の性でPK専門のギルドとかが出てきたりするのだが、まぁそれは今は置いといて。これが非常にありがたかった。何せ殺せば殺しただけ「強くなれるんだからな」おまけにどれだけ殺してもステータスやプロフィール上にPKしたと言う証が残ることはなく、またチャットなどに表示されたりと言ったことも無い。これのおかげでずいぶん早くここまで登れた
「あぁ…本当に苦労したよ」
ゲームを始めてから一目散にセーフハウスを作らずに外に出て魔物を殺して殺して殺しまくってレベルを上げ、それを使って中位第5階位に分類される「上級シーカー」にまで自分の職業をランクアップさせ。貯めに貯めたスキルポイントを気配遮断や一撃即殺に一頭首取りなどの隠密系と一撃必殺系の技に全振りして、後は自分と同じジャンルの職業で高位の相手を狙ってPKして一番自分に有用なアイテムや装備だけを奪ってまた魔物を殺して殺して殺しまくって。
まぁそんな事を1年間繰り返し続けたら。何時しかゲーム内外を問わず「無名の首狩り盗賊」何て呼ばれるようになってしまっていた。おかげでゲームないじゃごく限られた信用できる人間と運営が持つ公益店のNPCとしか会話していない。まぁ…一人の方が他人を気遣わなくていい分気楽だが…それでも人とかかわれないって言うのは少し…その…寂しいと言うか…辛いと言うか…
「…こっちの世界で生きてぇなぁ……」
目標の魔物を撃破し立私はすぐさま帰還の魔封石を使ってセーフハウスに戻り。そこで一旦ゲームパッドを置いて、長時間座っていたために凝り固まった体をほぐすように大きく屈伸し。それによって体の中にたまった空気を一気に吐き出す。そして
「じゃあ貴方は何を差し出してくれるの?」
いきなり自分の目と鼻の先に現れた少女に思考がフリーズする
「……は?」
私の口からこの言葉が零れ落ちた瞬間
「のわぁ~~~!?」
思考が正常に戻り。私は少女が突如として目の前に現れると言うあり得ない自称を前に驚きのあまり座っていた椅子から転げ落ちる、そんな私の姿をくすくすと笑いながら眺める少女に。私は
「だっ、誰だお前!?。いったいどっから入ってきやがった!?」
と、椅子から転げ落ちた際床に強く打ってしまった腰をさすりながら眼の前の少女に向かってどなる。すると少女は
「貴女の願いを叶えに来たのよ?」
と、怪しげな笑みを浮かべながらこちらを横目に見つめる少女。本来であれば出て行けと怒鳴る所だが
「そうか、んで?。どうやって俺の願いをかなえてくれるんだ?」
此処はコイツの話しを信じて聞いてやろう
「貴方が私に相応しい物を渡してくれたら。貴方の願いをかなえてあげる」
「例えば?」
「貴方の死、正確に言えばあなたのこの世界での存在の「末梢」ね」
そう言って、少女はゆっくりと私の方へと歩き出す
「いいぞ。どうせ生きてても家族に迷惑かける事しかできないんだ。こんな極潰しがいなくなる方が家族のためにもなるだろうしな」
自分を貶めながら私は笑う。その顔はきっと引きつっていたのだろう。その顔はきっとなみだでぬれていたのだろう。けど、…それでも私はこの笑みをやめようとは思えない
「いいわ。じゃあさようなら」
そう言って彼女が私の頬を両手で包み込むように触れる。そして触れると同時に私の身体が燃え上がる。まるでまるで火を付けた瞬間のマッチのように燃え上がる
「ギィヤアアァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
私は火だるまになったままその場を転がり回る。火はすぐさま床や布団。カーテンなど部屋中のありとあらゆるものに燃え移る。そして…
「約束は果たすわ。貴方は幸福な人ですもの」
そう言って。少女は愉しそうな笑みを浮かべて俺が焼け死ぬ様を眺めていた
「この日。世界から元原恵一と言う男が消えた」