おわり。
少女がいう。
これでほんとの本当におわり。
おわりがあれば始まりがあると多くの人はいう。おわってしまうという事は別れがあるということ。別れがあるという事は出会いがあると言うこと。たくさんの人に出会って人は成長していく。自分の知識を増やし経験を積み重ねまた1歩大人になるのだ。だけど、別れてしまった人はどうなるのだろうか。絶対に忘れないなどと初めは言うのだけど、結局は忘れてしまう。人とはそういう生き物だから。
少女がいう。
前に進まなきゃ。
悲しみに耐えそれを振り切り人は強くなる。だけどその悲しみに耐えられない人だっている。耐えられなかった人は強くはなれないのだろうか。きっとその人は強さではなく優しさを手にするんだろう。そしてその優しさで多くの人を助けるのだろう。
少女がいう。
後悔はない。
後悔するということはまだ本気で取り組んでいなかったということ。でもそれは終わってみないと分からない。あの時あの瞬間確かに自分は本気で向かっていただけど終わってみて反省するんだ。まだ出来たのにまだやれたのにと。それでも後悔した時に出てきた。大粒のたくさんの涙はきっとその事実を心に深く刻むのだろう。
少女がいう。
泣きたくない。
そんな言葉が出るのはきっともう充分悲しんだということだよね。それでも涙が止まらないのは少しでもあなたの悲しみを辛さを和らげようとしてるからだよ。泣くのはすごく体力がいること。たくさん泣くということはとっても大変なことだと思う。だけど今、泣かないときっと後から辛くなる。心が涙が空っぽになるくらい泣けばいい。そうしてもう悲しいことなんて忘れちゃえばいい。
少女がいう。
ありがとう。
ありがとう。この言葉程影響力があるものはないと思う。感謝を伝える言葉なのに少女がいう。ありがとうにはたくさんの悲しみが含まれている。この言葉をいってしまうとほんとうにこれで最後なんだなぁと思う。諦めるということは駄目な事だけど、人はときにあきらめなければ行けない。その選択をしなければ道が進まない時があるからだ。もがいて苦しんであきらめたくなくても、結局はその道しか残されていないんだとみんな分かってるんだ。
別れを知っておわってしまった少女はきっと今より強く美しくなることだろう。
おわり。があれば始まり。がある。
別れ。があれば出会い。がある。
そうして人は強くなる。
忘れてしまうことはしかたのないことだから前に進もう。
時には諦めることも大切だから。