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④動作を入れて場を作る

④動作を入れて場を作る



自分の書いた小説が

「会話劇」って言われるのは、

やはり小説としては「書き方が至らない」って

言われてるのに近いと思うんですよね。

誤解を招く前に先に言っておきますと


・そういう場面や演出

・独特な作風


こういう場合は会話文だけで勿論良いと思ってます。

例えば顔の見えない人たちが

ひそひそと会話する場面、

これは会話文だけでいいでしょう。


が、そうでもないのに無意識に会話ばかりで済ましてしまうのは、

小説としては勿体ないと思ってます。

「アドベンチャーゲームでええやん」って言われてしまいます。

最初の「①文末の意識」でもちょろっと書いた内容ですが、

今回はちょっと掘り下げたいと思います。


では例文


------------------------------


「それで、文化祭の出し物はどうするんだ?」

「カーニバルだよ! カーニバルだよ!」

「私は、喫茶店でいいと思う」

「しかしそれではありきたりではないか?」

「お姉様と一緒にできるなら私はなんでもいいわ!」


-------------------------------


まあ極端な例ですけどね。

ぶっちゃけ何がなんだか意味がわかりません。

これを誰が話したか追記します。


------------------------------


「それで、文化祭の出し物はどうするんだ?」

キリヤマが口を開く。

「カーニバルだよ! カーニバルだよ!」

マナが叫ぶ。

「私は、喫茶店でいいと思う」

冷静にイオは提案する。

「しかしそれではありきたりではないか?」

ハルネは冷静に指摘する。

「お姉様と一緒にできるなら私はなんでもいいわ!」

ヒュウヤが息巻く。


-------------------------------


まあ誰が何を話したかまではわかりますが、

小説家を目指す上でこの文章は

どうかなぁと感じるでしょう。

そこで今回の「動作を入れて場を作る」の出番です


------------------------------


前に立つキリヤマが

ホワイトボートをコツコツと指先で叩きながら、

全員を見回して口を開いた。

「それで、文化祭の出し物はどうするんだ?」

けれど先ほどから両手を上げて部屋を走り回るマナは、

「カーニバルだよ! カーニバルだよ!」

と騒ぐだけで話など聞いていなかった。

「私は、喫茶店でいいと思う」

叫ぶ彼女をまるで気にした様子もなく、

手を上げて発言をしたのは行儀よく座っているイオ。

「しかしそれではありきたりではないか?」

続いて口を開いたのはハルネ。

文化祭要項を見ながら難しい顔をしていたが、

彼女は立ち上がり前出て

他のクラスの出し物のリストをホワイトボードに張る。

彼女が几帳面にチェックを入れていくのは

喫茶店を出しものにしているクラスだろう。

「お姉様と一緒にできるなら私はなんでもいいわ!」

マナと同じで役に立たないヒュウヤは、

イオの足に頬ずりをしていた。

勿論、誰も聞いてやしない。

そして最後の一人のコンドウは

まるで他人事のように会議に参加せず、

窓際で本を静かに読んでいた。


-------------------------------


例文が結構手抜きですいません。

まあ以前と同じで「読みにくくなった」と

思う人はいるかもしれません。

けれどこれで騒がしい

会議風景に近づいたかなと思います。

また一度も会話しない人物も、

その場に登場させることができます。

きちんと書き上げれば、

「会話はないけれど豊かなキャラ同士のやりとり」も

描いて行くことのできるでしょう。


今回は骨組みを組んだ後に、

肉付けをしていくプロセスですね。


この動作を入れることは、

単に「キャラたちが何をしているか」だけを

描写するものではありません。

口調以外にも「キャラの個性付け」にも役立ちます。


よくよくため息を付くキャラ。

忙しなく机を指先でコンコン叩くキャラ。

タバコを吸っているキャラ。


会話の合間合間でそれぞれが

そのキャラらしい動作をすること……

それを繰り返すことで個性も作れると思います。

安易に「口調だけで個性分けしました」と、

苦しい逃げ道を作ることも減るでしょう。


こういう試行錯誤がキャラを作っていくと私は思って、

日々創作活動をしているのですが中々に難しい。

そして残念ながら「プロであっても」

無頓着な人がいるのが現実です。


「凄く売れてるし作品いくつも書いてる人気作家」


じっくり読んでみてください。

めっちゃ手抜きな会話劇ばっかりの人、結構いますから。


「話が面白ければ些細なことじゃないか」


それも勿論正論ですが……

それはライトノベル「以外」で通用しますか?

プロになった時に「自分はプロとして文章力も勿論ある」と

色んな分野のプロに胸を張れますか?

※一般小説、大衆小説なども手抜きな作家はたくさんいますが。


せっかくこうして「小説家になろう」で

小説を書いていくのですから、

しっかりと推敲しながら書いていきたいものですよね。



私もまだまだ未熟です。

偉そうなことは全く言えませんし、

自分の書いた作品を読み返して頭抱えたりします。


でも言いたいのは「小説だからこそできる描写」を

疎かにしていてはきっと後々苦労する、という確信。


シナリオライターやノベルゲームを目指しているのなら、

勿論この限りではないのかもしれませんが、

やはり、小説を書く上で描写は避けては通れないと思います。



読んだ人が情景を容易に想像できて、

キャラ同士のやりとりを楽しめる作品を、

目指していきたいものですよね。

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