③伏線回収、忘れてませんか?
③伏線回収、忘れてませんか?
私は今でも覚えているのは、
雑賀礼史さんの
「召喚教師リアルバウトハイスクール」。
10巻か11巻あたりまで読んで
そこから先は読んでないのですが、
今見たらちゃんと19巻で完結して
更には今年の5月に
10年後を舞台にした続編が出たらしいですね。
さてタイトルは「伏線回収、忘れてませんか?」
どうしてリアルバウトハイスクールを出したかというと、
はい、この話ほど伏線ばらまきまくって、
拾うつもりさえなかった話を私は知らないからです。
「最後まで読まなきゃわからないんじゃ……」、
そう思う方もいるかもしれませんが、
ぶっちゃけそういうレベルじゃないほどです。
いちいち一つ一つ具体例を上げることはしませんが、
雑賀礼史さんは人気作家、
そんな方ですら伏線回収は忘れるモノ。
ましてプロではない私たちなら
忘れるのも当然ではないでしょうか。
私も伏線を1から10まで
拾うのは難しいかなと思います。
が、伏線の回収忘れは一番「突っ込まれやすい」。
作品の完成度うんぬん以前に、
批評や酷評したがる人にとっては「大好物」なのです。
「ここが矛盾してる」
「プロットの精度が悪い」
「設定だけ立派ですね」
「後先考えなし(笑)」
ぶっちゃけ私は話が面白ければ、
伏線の拾い忘れも
多少は眼を瞑ってもいいんじゃないかと思います。
もちろん、伏線をきちんと展開に活かせば活かすほど、
作品としての「完成度」は高くなります。
推理小説系だと最も重要な要素なのは間違いありません。
では何故、伏線回収が発生するのか。
私なりに考えてみました。
①テキトウに話の風呂敷広げ過ぎた
↑リアルアバウトハイスクール
②「いつか使おう」と設定入れすぎた
↑ラストエリクサー症候群
③当初の予定では必要だったが後に不要になった
↑プロットの途中変更
④単に使い忘れた
↑よくある
プロで「いや、この先連載していく中で拾うんだ」
というのならともかく、
私たちは「この物語の全てを詰め込む」くらいの気持ちで
伏線はきちんと拾った方がいいと考えています。
「いや、実はこれが将来……」とか、
余程の文量の超大作を書きあげるつもりでなければ、
あまり考えない方がいいんじゃないでしょうか。
長編文庫本1冊に作品が収まるように終える、
それが私の信条です。
では伏線の拾い忘れをどう防げばいいのか……
私はある時に閃きました。
「結果を書いた後に伏線を置きに戻ればいい」
100%忘れません。
だって結果が先にありますから。
つまりこういうことです。
・あ、ここでこういう設定があるとスムーズだな
↓
・よしこの設定が不自然にならないように
前の場面にさかのぼって伏線を入れておこう。
連載形式だとできませんが、
新人賞に応募する時なら大丈夫でしょう。
少し付け足すだけでもいいですし、
場面を一つ挟むくらいするのもありだと思います。
この前の話でも書きましたが
ある程度「プロットに余裕」がある人には
「伏線後置き」は便利かと思います。
よくいるじゃないですか、
「何でも知っていて思わせ振りな発言を
ずっとし続ける便利キャラ」。
こういうキャラが不自然にならないようにするには、
結果を先に書いてから、
それを匂わすようなことを言わせたら
トンチンカンな発言をしなくなります。
また登場人物が追加したい時などにも、
「ぱっと突然沸いた」にならないように、
さらっと事前に登場シーン入れるもありです。
プロットをしっかり組む人ほど、
伏線回収を忘れやすい気がします。
そして無理に拾おうとして
話が崩壊することもよくよくある話。
という感じですが、いかがでしょうか?
伏線の拾い忘れしないようにする、
私の一番の必殺技です。
これを読んで
「伏線拾い忘れたことなんてないわ!」
という人は、誇っても良いと思います。
ラノベだけでなく普通の大衆小説やら
なにやらの色んなプロですら、
平然とめっちゃ伏線拾い忘れてますから。
思わせ振りな描写しておいて、
「結局意味ないんかーい!」
みたいなの、とっても格好悪いですからね。
プロでもない私たちは特に、
そこを拾われて責められる可能性が高い。
この書き方が正解だとは考えていません。
けれど一つの方法だと思っていただければと思い、
今回は書かせてもらいました。
よりよい物語を作って、気持ちよく終えたいですよね!