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①文末の意識

①文末の意識


私が推敲する際に一番気を付けるところは

地の文章の末尾です。

どういうことか説明するために

簡単な例文書いてみました。


-------------------------


橘は言った。

「女性用フンドシを流行らせたい」

私はまたくだらないことを言い出したと思った。

「街の中心で叫んできなさいよ。

 すぐにお巡りさんが飛んでくるわよ」

橘は顔をしかめた。

「今時なんでも『流行り』になれば許されるだろう。

 キラキラネームも似たようなモノじゃないか」

私はため息をついて言い返した。

「全然違うわ、強引にも程があると思わない?」

私は話を打ち切り立ち上がった。


--------------------------


私の感覚ではこんな文章は嫌いです。

単調な文章だと感じてしまいます。

(そういう手法、場面の演出である場合は別ですが)

色んな気に入らない要素がありますけど一番は地の文。

全て「~た」で終わるのが格好悪い。


けれど意外とこういう文章、

市販の本でも見かけるんですよね。

それは小説に限りませんし、

「プロ」と呼ばれて仕事してる人ですら、

無頓着な人がいるのが現実です。

翻訳された本では特に酷い時もあったりします。


「内容が面白ければ文章なんて些細なこと」


そういう方もいるにはいますけど、

やはりせっかく小説書くなら、

ある程度は意識した方が気持ちいいのではないでしょうか。


そこで私が推敲した結果、文章はこうしてみました。


-------------------------


橘はとびっきり良いことを思いついたとばかりに告げた。

「女性用フンドシを流行らせたい」

珈琲を飲んでいた私は興味ないとばかり手をひらひらと振る。

「街の中心で叫んできなさいよ。

 すぐにお巡りさんが飛んでくるわよ」

心外そうに彼は顔をしかめて

「今時なんでも『流行り』になれば許されるだろう。

 キラキラネームも似たようなモノじゃないか」

そんな反論をしてくるが、

あまりに的外れな言い分に私はため息をつく。

「全然違うわ、強引にも程があると思わない?」

立ち上がり「話を打ち切り」と言い捨てて彼に背を向けた。


--------------------------


どうでしょうか。

文の末尾を単調にならないようにしてみました。

もちろん、人によっては

「文量が増えて読み辛い」と思うかもれしません。

そのあたりの感覚は人それぞれではありますので、

これが正しいわけではありません。


ついでにあわせて「橘は」「私は」という言葉を減らして、

文章の合間合間に動作を入れてみました。

ただの何気ない会話のシーンでも、

こうして動きがあった方が

少しは読者も飽きないのかなと思います。


文章の推敲にも色々あると思いますけど、

私はこういう感じで文章をよくよく弄るようしています。

推敲の回数が増えれば増えるほど、

文章も色を変えていき、

より良いモノになるんじゃないかなぁと。


「そんな初歩中の初歩、当たり前じゃない。

 私は小説家を目指しているんだから!」


という人も落ち着いて

自分の書いた文章を読みなおしてみてください。

勢いで進めた部分、

きちんと読みやすい文章になっていますか?

もしそれでも「バッチリ!」という方は、

普段から丁寧に文章を書かれているのだと思います。

プロですら杜撰な人が多いのですから。


私は多い時は一日に

7000~1万字を書くこともありますけど、

大体そういう時に書いた文章は

後で見返すとこういう部分で読みにくかったりします。

その骨組みに推敲を重ねて最終稿にします。


まあ最近は連載形式で書いてるので、

推敲をほとんどせずに更新してしまっているのですけれど。

今書いてる「黒のヴァージンロード」も

書き終わったら一度全部見直す予定です。



さて短い内容ですが第一回はこのくらいで。

不定期に更新していきたいと思います。

私も偉そうなこと言える立場ではないですが、

誰か一人でもプラスになる方がいればなと思います。

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