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 さっきのちょうちょみたいにじゃなくて、いつもお人形にしてるみたいに、ぎゅーって、ちゅーって。

「くしゅぐったーい」

 きゃっきゃっと笑う妹のほっぺたはぷにぷにしてて、ぬくぬくで、それにお日さまの匂いがして、お人形なんかよりも全然かわいくて。

 嬉しくて、楽しくて。

 なんだか、すっごく胸がわくわくした。

 さっきはかわいいお人形が欲しかったな、なんて思ってたけど。

 もういらない。お人形なんてひとつもいらない。

 だって好きっていってもお人形は好きっていってくれないし。

 ぎゅーってしても硬いし。

 ちゅーってしても冷たいし。

 お人形じゃなくて、妹でよかった。

 わがままいうけど、真似ばっかりするけど。

 でも、やっぱりかわいいもん。

 お人形なんかより、全然かわいいもん。

 そんなかわいい妹に、ぷにぷにでぬくぬくの本当に本当にかわいい妹に、ぎゅーってされたりちゅーってされたり、好きっていわれたりするなんて。

 ひょっとしたら、お姉ちゃんって得なのかもしれない。

 ううん、きっと得なんだと思う。

 お姉ちゃんってだけで、すっごく得なんだ。

 わたし、お姉ちゃんでよかった。

 本当によかった。

 ありがとう。大好きだよ。

 声に出してそういう代わりに。

 そろそろ帰るよって、ママにそういわれるまで。

 私は妹をずっとずっとずーっと。

 ぎゅーってして。

 ちゅーってした。 <了>

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