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T字路交差点7

掲載日:2013/05/12

 あれから、どのくらいの時間が経ったのだろうか。

 ベットに横たわるラミアは、すぅすぅと寝息をたてながら眠っていた。


「うぅん」

 声を上げてラミアは苦しそうに寝返りをうつ。

「ん……」

 目をこすりだした、もうすぐ目が覚めそうだ。

「あれ……ここはどこ?」

 体を起こそうとするラミアだが、感触に違和感を感じて、起き上がるのをやめてしまう。

(うそ、あたし、裸のまま? これじゃ起きたら見えちゃうよぉ)

 服がないかと首を動かして見回すと、枕の右側にたたんで置いてあるのを見つけた。

「よかった」

 ラミアは服を取り布団に潜り込むと、もぞもぞと服を着はじめる。

(あたし、あの世界から抜け出せたんだよね?)

 服を着終えたラミアは、起き上がり周りを見渡す、すぐ脇に小さなテーブルがあった。

 その上には、『愛娘ラミアへ』と書かれた封筒が置いてある。

「なんだろ、でも愛娘って……ちょっと恥ずかしいな」

 封筒を手に取り、封を切って手紙を取り出す。

「どれどれ、何が書いてあるんだろ……」


 ラミア・カイラート様

 君の能力を考えると、地の文では遮られる可能性があるので、あえてこの方法を取ることにする。

 初めは、軽い考えで始めたこの作品、君の存在はそれほど重要じゃなかった。

 作者の意思を反映しようとしない、反抗的なキャラとしか作っていなかったんだよ。

 書きながら肉付けをしていこうと考えていた、けれどもね、それはとても難しいことだったんだ、細かい設定を作っていなくて、掘り下げるのに限界があるって気がついた。

 でも、君は勝手に動き出した、薄っぺらな存在はイヤ!と主張してね。

 その時かな、愛娘って考えたのは。

 ああ、自分はこの子を育てていかなければならないとね。

 けれど、この物語はここで終わってしまう、せめて謝罪をしたかった。

 力が足りないばかりに、ラミアの全てを表現してあげられなくて、ごめんな。

 言い訳にしかならないけど、お前さんは愛娘だ、また別の作品で登場させたいと思っている。

 最後になったけどこれは言っておきたい。

「ありがとう、そしておかえり、ラミア」


 手紙はそこで終わっていた。


「なによ、その言い草、結局あたしはもうお払い箱ってことでしょ」

 ダークブルーの瞳の目が見開かれ、大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちる。

「あんたはそれで満足なんだろうけど、あたしは満足なんてしてない!」


 お前さん、ちょっと待って――

「今更出てくんな! これが愛娘にすることなの? ひどいよ」

 最後まで書かせて欲しいんですが。

「イヤ! あたしの存在消さないでよ」

 あのーラミアさん? なにか取り違えてませんか?

「この作品、終わらせるんでしょ!」

 確かにこの作品は終わる――


「だったら、あたしの考えてる事と同じじゃない!」

 ええい、バカ娘最後まで――

「ヤダヤダヤダ! バカ作者にバカ娘なんて言われる筋合いない!」

 黙って、俺の話を聞け! バカ娘が。

「ううっ、やだよぉ、消えたくないよぉ」

『この作品は終わるけど、T字路交差点のタイトルで終わるってだけだ、タイトルを変えて別の作品にするっていう意味だ』

「え? それって……」

 つまりは、練習作品じゃなく、きちんとした作品に仕上げなおすってことだ。

「ホントに?」

 正直、お前さんの力は作者からすればとても扱いにくい、それでもその肉付けをした責任はとりたいからな。

「あたしは、消えないんだね?」

 うん、それは保証する。

「なんか、上から目線」

 親だからな!

「威張んな、バカ作者」

 へいへい、わるぅござんした。

「でもどうしよっか? このままじゃ……」

 皆まで言うな、綺麗に終われそうにないのは確かだし。

「いつもの終わり方するの?」

 それしかないな、いろいろ足りない作者で、すまん。


 ここは、何の変哲のないT字路交差点。

 これからも、様々な出来事をきっと綴っていくのだろう。


「はぁ、本当に幅が狭いよね、あんた」

 自覚はしている、へこむからしんみり言わないでくれ。

「でもね、あたし、嬉しい」

 作者を弄れるからか?

「ううん、扱いづらくても、あたしを認めてくれたから」

 そう言ったラミアは笑顔を浮かべてくれている、そんな気がした。


強行着陸、再びです……丸く収めようとした結果がこれ。

意外性が薄くて泣けてきます。

需要があるかはわからないですけど、ラミアを別作品に移します。

結果的に、作者はまた悩みを抱えてしまうことに(苦笑

次回からは練習作品に戻ります。

読んでいただいてありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
[一言] いやー感動しましたよ。 私も自分の作品の子たちはみんな愛らしいです。 親子愛みたいな感じ(笑)。 これからも楽しみにしてます。
2013/06/05 16:55 退会済み
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