T字路交差点7
あれから、どのくらいの時間が経ったのだろうか。
ベットに横たわるラミアは、すぅすぅと寝息をたてながら眠っていた。
「うぅん」
声を上げてラミアは苦しそうに寝返りをうつ。
「ん……」
目をこすりだした、もうすぐ目が覚めそうだ。
「あれ……ここはどこ?」
体を起こそうとするラミアだが、感触に違和感を感じて、起き上がるのをやめてしまう。
(うそ、あたし、裸のまま? これじゃ起きたら見えちゃうよぉ)
服がないかと首を動かして見回すと、枕の右側にたたんで置いてあるのを見つけた。
「よかった」
ラミアは服を取り布団に潜り込むと、もぞもぞと服を着はじめる。
(あたし、あの世界から抜け出せたんだよね?)
服を着終えたラミアは、起き上がり周りを見渡す、すぐ脇に小さなテーブルがあった。
その上には、『愛娘ラミアへ』と書かれた封筒が置いてある。
「なんだろ、でも愛娘って……ちょっと恥ずかしいな」
封筒を手に取り、封を切って手紙を取り出す。
「どれどれ、何が書いてあるんだろ……」
ラミア・カイラート様
君の能力を考えると、地の文では遮られる可能性があるので、あえてこの方法を取ることにする。
初めは、軽い考えで始めたこの作品、君の存在はそれほど重要じゃなかった。
作者の意思を反映しようとしない、反抗的なキャラとしか作っていなかったんだよ。
書きながら肉付けをしていこうと考えていた、けれどもね、それはとても難しいことだったんだ、細かい設定を作っていなくて、掘り下げるのに限界があるって気がついた。
でも、君は勝手に動き出した、薄っぺらな存在はイヤ!と主張してね。
その時かな、愛娘って考えたのは。
ああ、自分はこの子を育てていかなければならないとね。
けれど、この物語はここで終わってしまう、せめて謝罪をしたかった。
力が足りないばかりに、ラミアの全てを表現してあげられなくて、ごめんな。
言い訳にしかならないけど、お前さんは愛娘だ、また別の作品で登場させたいと思っている。
最後になったけどこれは言っておきたい。
「ありがとう、そしておかえり、ラミア」
手紙はそこで終わっていた。
「なによ、その言い草、結局あたしはもうお払い箱ってことでしょ」
ダークブルーの瞳の目が見開かれ、大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちる。
「あんたはそれで満足なんだろうけど、あたしは満足なんてしてない!」
お前さん、ちょっと待って――
「今更出てくんな! これが愛娘にすることなの? ひどいよ」
最後まで書かせて欲しいんですが。
「イヤ! あたしの存在消さないでよ」
あのーラミアさん? なにか取り違えてませんか?
「この作品、終わらせるんでしょ!」
確かにこの作品は終わる――
「だったら、あたしの考えてる事と同じじゃない!」
ええい、バカ娘最後まで――
「ヤダヤダヤダ! バカ作者にバカ娘なんて言われる筋合いない!」
黙って、俺の話を聞け! バカ娘が。
「ううっ、やだよぉ、消えたくないよぉ」
『この作品は終わるけど、T字路交差点のタイトルで終わるってだけだ、タイトルを変えて別の作品にするっていう意味だ』
「え? それって……」
つまりは、練習作品じゃなく、きちんとした作品に仕上げなおすってことだ。
「ホントに?」
正直、お前さんの力は作者からすればとても扱いにくい、それでもその肉付けをした責任はとりたいからな。
「あたしは、消えないんだね?」
うん、それは保証する。
「なんか、上から目線」
親だからな!
「威張んな、バカ作者」
へいへい、わるぅござんした。
「でもどうしよっか? このままじゃ……」
皆まで言うな、綺麗に終われそうにないのは確かだし。
「いつもの終わり方するの?」
それしかないな、いろいろ足りない作者で、すまん。
ここは、何の変哲のないT字路交差点。
これからも、様々な出来事をきっと綴っていくのだろう。
「はぁ、本当に幅が狭いよね、あんた」
自覚はしている、へこむからしんみり言わないでくれ。
「でもね、あたし、嬉しい」
作者を弄れるからか?
「ううん、扱いづらくても、あたしを認めてくれたから」
そう言ったラミアは笑顔を浮かべてくれている、そんな気がした。
強行着陸、再びです……丸く収めようとした結果がこれ。
意外性が薄くて泣けてきます。
需要があるかはわからないですけど、ラミアを別作品に移します。
結果的に、作者はまた悩みを抱えてしまうことに(苦笑
次回からは練習作品に戻ります。
読んでいただいてありがとうございました。




