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目目目目

作者: 桜の桜
掲載日:2026/08/20

君の1番好きな部位は深い黒に染め上がる伏せ目だけど、それが好きだけど。今その伏せ目無くなれば、その辺に放っておいて帰る。

カンカンと日差しが頑張りすぎる冬。

それでも君に会いたくなるのは、大好きと言いたくなるのは、目があるから。この家に来るのも、全部。軋む階段を、余裕の有る大人に見えるように足をゆっくりと上げ登り。古いドアを開けて、そして見つめてくれるその目が、その目のために、逢いに来た。

開ければギシギシと鳴るような窓を開け、冷たい太陽がその伏せ目を照らして呉れる、宝石のように煌めいて、取って食うなどしてみたい位だ、そんな目を持っているのに、なぜ君は僕みたいな衝動に駆られないのか、今日も深く疑問に思う。

垢だらけの手で触れ合おうとするので。反射的に避けてしまって、それがまぁ、付き合いたてのカップルとはそぐわない行動だったらしく、その目が下を向きがちで、何度もしてやりたい強く感じる。冷たい空気がうんともすんとも出やしないクーラーを付け、二人で目を見て話して。


「その左目の眼帯、...いつも触るけど、もしかして気にしてる?私のママもパパも眼帯つけててね?慣れてるというか、

なんて言うか、気にしないでいいだからね!」


笑いあって。


昼になった頃。

君の黒い伏せ目はあっと開いたので何かと思えば、古い階段を急いで降りていった、軋んだドアの音だけが部屋に残り、改めてこの家の居心地の悪さを感じる。

すぐさま帰ってきてくれ、その顔を見つめる。その手に持っていたのが、いちごのショートケーキが二つ。水が入ったコップが1杯。金がないのに何こんなもの買って、、。

と呆れる。けれど、目が嬉しそうに細めていて、なんかその前の呆れは何処かに飛んで行った。

ハッピバースデー!と、その歌の終わりに火を消す。そういえば、最近は仕事がつめつめで、誕生日を忘れていたので、思い出せて良かった。だが、誕生日で聞く最初の歌が、音痴というのは気に食わない。君と食べるショートケーキは、

甘くて美味しいと喜んで目を閉じてしまうので、私はどうも嫌い。その甘さも、甘ったるいだけで美味しいとは言えないのに。貧乏な舌はこれを美味しいと言うらしい。

だが、食後に必ず水と一緒に、見せつけるように飲むその錠剤が、病気アピールをしなくてもいいのにと毎度気分が曲がるので辞めて欲しい。

「その、錠剤のやつ...」

「なぁに、?」毎度、錠剤のじょの時点から嬉し目をするので、この会話は気に入ってる。


季節が変わり、今度は雲の厚い暑い、夏。

君はカンカン照りもキンキン冷えも、残さず全部風邪を起こす。今日会えないの連絡が、ケータイの履歴にずらりと並ぶ。何時に連絡が来るかを当てる、ほんのちょっとの楽しみを今年もしている最中。ずぅっと着信音のならないケータイに、私は古家を訪れました。いつもよりギシギシと軋みの激しい階段。何かあったのではとそのドアを開けました。そこには目が閉じていました。消息を絶った君に、久しぶりに泣きました。君の両親二人は、重たい病気で亡くなったと悲し目に言っていたのを思い出し、最初に連絡をしたのは薬屋でした。

「目を保管したいんですけどその薬品をください。すぐに、」

「いいよ。話すの四回目だね、またあのお家の人の…?」

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