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『速記を教えるお坊さんと手水鉢』

作者: 成城速記部
掲載日:2026/04/25

 あるお寺に、別のお寺から、速記を教える立派なお坊さんがやってきました。でも小僧さんたちは、まだ若いので、何となく身が入らなくて、上達もしませんでした。速記を教えるお坊さんは、小僧さんたちのこの態度が心配ではありましたが、若いうちはそんなこともあるだろうと思って、うるさいことは言いませんでした。

 午前の速記の時間が終わって、御膳の時間になりました。小僧さんたちが最も楽しみな時間です。速記を教えるお坊さんも、御膳を召し上がり、厠へ立ちました。厠から出ると、手水鉢がありません。普通、厠を出たところに、手水鉢というものはあるものなのですが、この寺の手水鉢は、一度庭に下りないと使えないようになっていたのです。速記を教えるお坊さんは、この寺に自分が速記を教えに来たのも、御仏のお導きだろうと思って、せっかくだから、手水鉢を厠に近づけてあげようと思って、庭に下りて、手水を使った後、手水鉢を持ち上げて、濡れ縁のそばに置きました。これを盗み見ていた小僧がいて、とんでもない力持ちに驚いて、ほかの小僧にこのことを伝えると、午後の速記の時間は、皆熱心に学び、一日で速記が書けるようになったという。



教訓:ちゃんとやらないと手水鉢の下敷きにするぞとおどかしたわけではないので、経過も結果もよかったものと思われる。

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