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女神である私の職業は、死んだ者達を様々な分野の異世界へ導く仕事です。  作者: 推尊 奉琉


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2話「元勇者が恋愛をお望みなのでラブコメの世界に送ります①」

「ガチャ」


再び目の前の扉が開く。


「今度は、誰かな~?朝一のあの剣士にはほんと、呆れたから次は頼むからまともな人が来てほしいわ」


憂鬱な来客により、独り言を呟く。

朝一からハズレな死者の来客により、テンションがだだ下がりだ。

だが、死者を転生させるこの職業柄、問題を抱える死者達はそう少なくない。

当然、死した者が五万といるので恋に悩む者、己の強さに悩む者、大切な者を守りたいと悩む者、等々。

各々が抱える悩みや苦悩は様々である。


そんな中、次にこの天界を訪れたのは元勇者のサランだった。


「あ!!あなたは、元勇者のサランじゃない!久しぶりね。見違えちゃって、感動だわ」


「はい!!お久しぶりです。女神メリア様」


というもの元勇者のサランと出会うのは、かれこれ何十年ぶりだからだ。


あの時は女神職についてあまり日の経たない新人女神だった。

新人だった事もあってか、五万と転生者を導いたなかでも、とても印象深く、今でもサランと出会ったあの日の事を鮮明に覚えている。


遡ること数十年前。私がまだ女神職についてあまり日の経たない新人女神だった頃。


あの日も、いつものように転生者が来るまでそわそわしていると扉が開いた。


女子高生がポケットに手を突っ込みながらがに股で柄悪そうにこちらに向かってくる。


その女子高生はスカートの丈は短く、制服は着崩しており、耳にはピアスをしている金髪ロングのいわゆるギャルだった。

そのギャルこそが元勇者のサランだった。


「こんにちは~!!初めまして、今回、貴方を異世界へ導かせて頂く、新人女神のメリアと申します!新人なので不慣れな点が多くご迷惑をおかけすると思いますがどうかよろしくお願い致します」


私は、突然訪れたギャルの姿に動揺しながらも新人なりの笑顔で、明るい声で挨拶をした。


「チッ…。なんだよ!!なにジロジロ見てんだよ!あんまこっちジロジロ見てると殴るからな!覚悟しとけよ!」


サランは、舌打ちをした挙げ句に暴言を吐く始末だ。


新人だったこともあり、その悪態に恐怖しかなかった。

怖さのあまり瞬時に目をそらし、身体をガクガクと震わせる。


「おい!身体が震えてんぞ!お前大丈夫か!俺を導くんだろ!?しっかりしてくれよ!」


そんな私を鋭い眼光と言葉で圧をかけてくるサラン。


「……っ、うわあああん!しくしく」


あまりの圧に耐えきれず涙を流す私。


「ちょっ。おい!大丈夫か!?悪かったって!だから!あんまり泣くな。こちらまで調子狂うだろうが。ほら!これやるから!泣き止め」


ポケットに手を突っ込むサラン。

差し出されたのは花柄の青色のハンカチだった。

見た目から想像もつかないほどに可愛らしいハンカチだった。

泣いてる私を慰めるかのようにさっきとは打って変わって優しい言葉を投げ掛ける。


「グスッ…グスッ…。あり…がとう。」


しばらく泣いて、ようやく泣き止みハンカチで顔を拭う。


「すみません。ありがとうございます」


泣き止んだ私の顔は、ひどく赤く、目が腫れていた。

とても他人に見せれるほどの顔じゃなかったのだ。


「私も悪かったよ。ごめんな!さぁ!私を異世界とやらに導いてくれよ!名前は~。確かメリアとか言ってたよな!メリアだから~メリちゃん!そう呼ぶことにするわ!

私の名前はサランだ!呼び方は好きなように呼んでくれ!これからよろしくな!メリちゃん」


さっきとは打って変わって万年の笑みで話してくるサランの姿に少しづつ緊張が和らいでいく。


「もう~。ほんと怖かったんだからね!クズっ…。ハンカチありがとう。てか、メリちゃんって急に距離縮めすぎ。まぁ嬉しいけど!!それじゃ。気を取り直して異世界に導く手続きをするわね!どこがいい?」


「その調子だ!メリちゃん!案内よろしくな!どこがか~。一体どこがあるんだ?」


これが彼女とのはじめての出会いだった。

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