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革命少女  作者: 金澤風龍
6/6

6 先生召喚!

次の日


「初めまして。エラ・フォン・コンラートです。今日から貴女に文字と歴史を教えます。よろしくね?」


「…………。」


空いた口が塞がらない。

何ということだ。うちのデレデレ親父は有能だったらしい。

まさか本当にたった一日で教師を見つけるとは。

絶対に無理だと思っていたのだが………。

とりあえず挨拶はしないとな。


「なるーしゃ・ふぉん・のいらーとでしゅ。よろしくおねあいしましゅ。えらしぇんしぇい。」


ああ、己の舌足らずさを披露するのはやはり屈辱的だな。

ん?先生が顔を覆って俯いて震えている?

泣いているのか?そんなに先生になりたかったのか。

暫くそうっとしておこうかと考えたとき、先生がクワっと勢いよく顔を上げる。


「かわいい!」


「へ?」


「ああ、私の息子達も可愛いけど、この子はもっと可愛いわ!」


その時、私は己の失策に気づいた。

先生に教えを乞うのだから笑顔で接しなければと思って挨拶したが、今の私の顔はめちゃくちゃ可愛いのだった。

自分で言うのも何だが、この顔はめちゃくちゃ可愛い。

魔法が使えるのならば、一番に顔を普通に見せる魔法が欲しいと思っているくらいだ。

だから私は今まで無表情を心がけていたのに、やっちまったー!

ええい、やけくそだ!

無表情で無理やり話題を変える!


「しぇんしぇい!もじをおしえてくだしゃい!」


目がハートになって、着せ替え人形にされるのではと言う先生の勢いがピタリと止まる。

少しだけ俯いた後、パッと顔を上げて言う。


「そうね!ごめんなさい。貴女が可愛すぎて少し思考が飛んでしまったわ。では、改めてよろしくね。」


「あい!」


ふう、危なかった。

あのまま止めなかったら、何をされていたことやら。

しかし、この顔は本当に何とかならないかな。

前世では女だったが、どちらかと言えば男よりの感性を持っていて、それは今も変わらない。

髪は伸ばしても一つに束ねるだけだし、スカートなんて全く履いていなかったし、女らしい趣味は自分の道着を治すために身につけた手芸くらいだったし、山奥でかなりの武者修行もやっていたからなぁ。

男らしい趣味は、武道(柔道、剣道、居合道、合気道、杖術、弓道)だし。

うーん。暫くは男の子に見えるように服装を変えるか。

その日は簡単にこの国で使われている文字を教えてもらった。

これからは毎日午前中に2時間ほど教えてもらえることになった。

エラさんのコンラート家は男爵家で、家のノイラート家とはかなり仲が良いと教えて貰った。

エラさんは黒髪で、微笑むと聖母のように見えた。

お子さんが3人もいるとか。

出来ればお子さんとも仲良くしてほしいと言われた。

どんな子だろう。


お昼を挟んでお昼寝をしてから魔法の先生がやって来た。


「ハンナ・フォン・メルケルです。今日からお嬢様に魔法を教えます。」


何だろう………。

これは大丈夫なのだろうか。

いや、見た目が悪いわけではないのだが、教わるのがメイドって………。

しかも普通にうちに居た、どこからどう見ても普通のメイドとか。

え?大丈夫だよね?


「お嬢様、これでも私は魔法が上手な方ですので、ご心配なく。」


「あい。おねあいしましゅ。」


ハンナは時々屋敷の中で見かけた事がある。

何故魔法を使った職業じゃないのか聞いたら、魔法よりも侍女の方が性分に合っていたとか。

ハンナは今日から午後に1時間くらい魔法の仕組みや訓練を教えてくれるそうだ。

今日は私の魔力量を見てもらった。

私の魔力量は同年代の平均より少し多いくらいだそうだ。

これから鍛えても普通は魔力量は3倍になれば良い方だと。

大人になってから鍛えても、魔力量はほとんど増えないから今から鍛えるのはとても良いらしい。

ううむ、筋肉とはまた別の法則があるようだ。

概念的な問題があるのかな?




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