1 役に立ちたい世界が違う!
どうぞどうぞ、よろしくお願いします。
(いつまで続くかな〜?)
う〜ん!ベタ!!
ベタだねぇ!
現在私、生まれたばっかりの赤ん坊になっております!
転生ってやつかな?
よく見る漫画だと視界がはっきりしているのだけど、全然見えないねぇ。
けど、直感的に赤ん坊になった自覚がありますねぇ。
はい!ありがとうございます!!
私、赤ん坊です!
はぁ、ないわー。
ちょっと勘弁してほしいねぇ。
最後の記憶は確か、図書館で一日中勉強して、いつの間にか夜になって……。
そうだ、その帰り道の月と星が綺麗で、思わず祈ったんだ。
『こい願わくば、世界に役に立てる人物にならしめ給え。』
そこから先がないねぇ。
…………。
うぉい!!
何でだよ!
普通、死ぬフラグじゃないよねぇ!
物語的展開に言えば、これから世界を変えていくはずだよねぇ!
何で死んでるの!
いや、確かに転生して物語としては始まったと思うけどさぁ。
ないわー。
せめて、友達ができるくらいにしか考えてなかったのになー。
はぁ、本当に何でー?
とまあ色々考えておりますが、周りに人がいるようでちょっと騒がしいですねぇ。
その騒がしさの一番の原因は私の泣き声のようですが。
生まれて早々なのに、もう既に疲れました。
うーん、寝よ。
月日というのは早いものです。
あれから一ヶ月経ちました。
ようやく、少しずつではありますが目が見えるようになっております。
まだまだ、不自由な体には困っておりますが。
最近分かったことは、どうやらこのお家、なかなかのお金持ちということです。
いろんな人が入れ替わり立ち替わり私の様子を見ているようです。
何と、メイドさんもいるようでして(黒と白は比較的見えやすい)、もしかして小説あるあるかと疑っております。
え?小説あるあるが何かって?
決まってるじゃないですか。
異世界転生ってやつですよねぇ。
魔法に憧れる気持ちはわかりますが、どちらかと言うと、学問を極めたいですからねぇ。
私の感覚で言うと、魔法って筋肉の一種ですしねぇ。
前世で言うところの中国を中心にある、気に似ていますしねぇ。
で、体に意識を向けて確認してみました。
ありましたよ。
何と言うか、感覚的に分かるというか。
多分これが魔力と言うんでしょうねぇ。
はぁ、物理法則を無視するような魔力とかいらないんですけど。
と、言うか。前世では私武道愛好家だったので、少しばかり悲しくなりますよ。
どんなに卓越した剣士でも核爆弾には対抗できないような悲しさ。
まぁ、生まれてしまったものは仕方がないので、色々試してみますか。