表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

大いなる旅立ち。9

『あ、あれが京の都……。』



私は遠くに見える京の都を望んでいた。



大きい。



あれがこの国の中心。



あんな街は見た事無い。




『大きいだろう。

儂も15歳の時に初めて来た時は、感動したなぁ。』



『将門殿っ! 早く街を見てみたいです!

さぁ! 早く行きましょう! 秀郷様もっ!!』



私は二人の裾を引っ張って歩き出した。



『お、おい!』



『相変わらずのお転婆だな!』




そして半刻程歩いて、京の都に着いた。




人の往来が凄い!!



何処もかしこも賑わっている!!



下総の国とは全然違う!!



私の眼には、何もかもが新鮮に映っていた。



『アヤメ、それでは田舎者丸出しだぞ??』



『だって、こんな光景久しぶり……。』



『久しぶり??』



その時、突然頭に激しい頭痛が襲った。



『アヤメ殿、どうした??』



よろける秀郷様が、私を包んでくれた。



『どうした!? 大丈夫かっ!!』



『す、すみません。

何故か頭に痛みが。』



将門様は、何かを考える。



『うむ、やはり京の都に連れて来て正解だったのかもしれぬな……。

この都にはアヤメにとって何かが有る。

よし、儂はこれより摂政、藤原忠平様の所に行く。

その間は、忠平様がお貸し下さった寺で待っておれ。』



『ならば、儂がアヤメ殿を見ておろう。』



『秀郷様!?』



『その位の礼はさせてくれ。』



『秀郷殿。』



『察するに、アヤメ殿にとって、この京の都は自分を見つける何かが有るのだな?

ならば、儂が案内仕ろう。』



『私が、私を見つける??』



『これも何かの縁じゃ。

儂も其方に借りが有るしな。

力になろうぞ。』



『ま、将門様!』



『秀郷殿、アヤメを宜しくお願い申す。

黄昏時には戻る所以。』



『分かり申した。』



『アヤメ、自分を取り戻して来い。』



『は、はい。』



将門様は、笑顔でその場を去って行った。



私を取り戻すっていっても、どうすれば……。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ