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第二の鬼滅の刃、早くも登場か?鬼を斬る少女の物語がここに紡がれる。
<あらすじ>
記憶を無くした少女、カナギは鬼を斬ることを生業にしていた。しかし、領主の娘、椿と出会い、強敵に立ち向かう内に自らに秘められた力を解放していく。
鬼滅の刃の二次創作ではありませんが、ちょっとだけ要素を入れてみました。和風ファンタジーを書くのは初めてなので、細かい設定はご了承願います。
第一章<鬼斬り>
時は昔。茅葺き屋根の並ぶ町を少女は一人、歩いていた。町は飢饉と疫病で疲弊し、荒廃しきっていた。少女は巫女装束に身を包み、腰には刀を下げていた。少女の名はカナギ。二十もいかないほどの少女である。彼女には記憶がない。一振りの刀とその身に染み付いた技だけしか彼女に残されたものは無かった。しかし、その技は鬼を殺すには十分であった。鬼とは、何処から生まれたのかは分からない。元は人間だったという噂もあるが、地獄より人を喰うために出ていたと言う者もいる。ただ、鬼はそこに存在し、人に仇なす存在であった。カナギは、人の世の為、鬼を斬って生きてきた。