⑤
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4/4改稿
ゴーンゴーンという鐘の音が聞こえ、目を覚ます。
「ん、ん~朝か……夢じゃなかったんだな……」
寝起きのぼーっとした頭で見慣れない天井を見て呟く。目を覚ましたこの部屋を見て昨日の出来事がすべて現実だったのだと思い知らされる。
「たしか6回鐘が鳴っていたし朝の六時か……」
ぼーっとする頭を覚ませるために部屋に備え付けられていた水が出る装置から水を出し、顔を洗う。
頭がシャキッとしてきたことで改めて考える。
(直近の目標はクリスを殺すことだが……昨日のおっさんたちに聞いた情報だとBランク寄りのCランクで300レベルを超えてるって話だったな……)
カードで自分のステータスを確認しながら考える。
(今の俺のレベルは134。ここから2倍以上上げないといけないのか……間に合うのか?)
死ぬ前のレベルが86だったことを思うと一日で50近くのレベルが上がった。しかしこれは死んでスライムに吸収されたから起こったことであり、普通では起こらないことである。また、次の建国祭までの猶予も現状ではまだわかっていない。建国祭の日によっては間に合わないかもしれない。建国祭で挑まなくてもいいかもしれないが現状分かっている情報ではそこに現れるだろうということしかない。念のため、身バレの可能性をなくすために冒険者ギルドには近づかないでいる予定だし、あまり目立つ行動もとれないためこの情報が現状で唯一の手掛かりとなっている。その為、この建国祭までにレベルを上げ、殺ることにする。
(まぁ色々と問題点もあるが新しいスキル次第で何とかいけるか?)
昨日ステータスを確認した『成長補正』が今の俺にはある。
成長補正は勇者というわからないワードがあるがそのほかの効果は『獲得経験値の増加』と『必要経験値の減少』で今の俺には非常にありがたいものがあるうえ、ステータスへの上昇補正がつく。
(とりあえずは建国祭がいつにあるかとダンジョンでどれくらいレベルが上がるかを確認してから修正をかけるか……その前に掃除をしてから装備を整えよう)
カードから目線を移してまずは埃を払い、床掃除などを行う。ある程度掃除も終わったところで部屋に置いてある装備品に目を向ける。そこには甲冑のような重装備ではなく動きやすさにも気を配った黒い軽装鎧と黒い鞘に入った短剣がおいてある。いつからここに置いてあるかわからないが錆や劣化は見受けられずまるで新品のように見える。素材は何かわからないが試しに鎧を持ち上げてみたがすごく軽く感じる。
(恐らく何かしら鎧の効果のおかげなのかもしれないが効果なんてわからないしなぁ……まぁ機会があれば鑑定してもらって確認してみるか)
次いで昨日外に出る時に持ち出した黒い剣を確認する。爺さんからもらった剣はクリスに挑んだ時にどこかにやってしまったがその時の剣と同じ直剣と使い慣れたものだ。昨日おっさん達に対して使ったが切れ味などは前まで使っていた剣よりも良さそうだ。
(そういえば収納ってスキルがあったな…試しにこの剣も収納できるか試してみるか)
こちらも勇者というわからない言葉があるが新しく追加されたスキルであり、収納できるとあるがまだ試したことがなく、どういったものかあまり理解していなかった。しかし使い方は体が覚えているのか収納しようと思えば自然な流れで握っていた剣を収納することが出来、手の中から剣が消える。
収納スキルを意識すると視界にさっき収納した剣の名前と効果が表示される。
○晦冥の剣:ダンジョン産の直剣(晦冥のダンジョン)
晦冥のダンジョンのボスから稀にドロップする直剣。
切れ味上昇:大 自動修復 吸血
どうやら収納したモノは説明と効果が表示されるようだ。
装備の効果など分からなかったから丁度いい。これ幸いと早速鎧とローブを収納して効果を確認する。
○晦冥の鎧:ダンジョン産の軽装鎧(晦冥のダンジョン)
晦冥のダンジョンクリア報酬の鎧。
重量:1/10 自動修復 魔法効果増幅
○四季のローブ:火孔のダンジョン産のローブ(火孔のダンジョン)
温度変化が激しいダンジョンで稀にモンスターがドロップするローブ。
着用者に最適な温度へ調節がされ、如何なる気候にも対応する。
どうやら晦冥のダンジョンから出た装備みたいで魔法を増幅する効果があるみたいだ。今すぐに効果を試すことが出来ないが早速鎧を着てみる。
少し俺には大きいかなと思っていたが着てみると不思議とサイズが縮まり、体にフィットする。着てみて思ったがやっぱりすごく軽い。効果の重量1/10のおかげのようだ。
剣の吸血はどうやら切った相手のHPを吸収し、体力を回復するというものだ。
主に顔など隠すために外ではずっと着る予定でいるローブも温度調節をしてくれるということでありがたい。
新しい装備の効果などにワクワクする。しかし現状のレベルと装備でも周辺のダンジョンの情報などを調べてからでないと挑めない。ダンジョンのことを調べるなら冒険者ギルドに行くのが一番手っ取り早いとは思うがリスクがあるため行くことが出来ない。代わりに冒険者が通うポーションなどを売っているお店に行って手がかりが何かないか尋ねてみるのもいいかもしれない。そのあたりも含め、建国祭の日程など午前中は情報収集を行い、時間に余裕があれば簡単なダンジョンで腕試しを行おう。
今日一日の予定が決まったところでまず朝食をとるべく外へ出る。昨日おっさんたちからもらったお金もあるため、懐には余裕がある。まだ王都に来たばかりでほかに店も知らないためとりあえず隣の羊亭へ向かう。
その道中、昨日おっさんたちを殺した場所を通り過ぎるがその場所には本当に骨一つ残されておらず、代わりになんの肉を焼いているかわからない串焼きの露店がある。絶対に貧民街では串焼きを食べないでおこうと5つの鐘の音を聞きながら心に誓う……




