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タイトルは仮なのでもし何かいい案ありましたらお願いしますm(._.)m
4/4改稿
腹も膨れたことでそのまま帰ろうと貧民街に歩いていると後ろから数人の足跡が聞こえてくる。付けられているように思うが特に手出ししてくる様子もないし放置でいいかとそのまま歩いていると貧民街に入ったタイミングで声をかけてきた。
「待ちやがれクソガキ!」
振り向くとさっき殴り飛ばしたおっさんがハルバード片手にこちらを睨んでおり、両脇に2人連れて立っていた。
「あ?何か用か?」
「何か用か?じゃねぇよ!さっきはよくもコケにしてくれたな!さっきは酔ってたからやられたが今度はそうはいかねぇ。」
「おいおい、お前本当にこんなガキにまけたのかよ。なっさけねぇ」
「別にこんなガキお前一人でもいけるだろ」
「うっせぇ、念のためにだよ!」
その言葉を合図に武器を構えておっさんが襲い掛かってくる。
さっきと違って相手は武器を構えているためこちらも迎え撃つべく腰に下げたままだった剣を構え応戦する。
「くそ、さっさと死にやがれ!」
「おいおい、そんなことしたら衛兵に捕まるんじゃないのか?」
「ここは貧民街だぜ?殺してもここらの奴らが綺麗に解体してくれるさ。骨まで残らねえよ!」
そういいながらハルバードを振り下ろしてくる。おっさんの見た目からどうやら冒険者のようだ。今は酔っ払っていないのかさっきまでとは攻撃の切れが違う。しかし見えないこともないため、楽に避けることが出来る。
さっきまではおっさんが大したことないだけかと思っていたがどうやらスライムになって前までの自分よりも強くなっているということを実感する。その証拠におっさんがハルバードを振り回すが簡単に避けることが出来る。
「くそっ、ちょこまかと!おい、お前らも手を貸せ!」
その言葉を合図に裏で見ていた2人も槍と短剣を構えながら斬りかかってくる。3人はパーティを組んでいるのか連携が取れた動きをしている。狙う場所もかぶらないようにバラバラで狙いつつ、隙を作って他のメンバーへのアシストに繋がるような動きも見せる。
しかし俺も昔爺さんに剣の動きは一通り叩き込まれており、最近もずっと鍛錬を続けてきた。流石に避けるだけでは間に合わなくなってきたがこちらもけん制しつつ何とか回避に努めつつ相手に尋ねる。
「なぁ、正直あんたらに恨みはないしそろそろ諦めてくれないか?」
「おめぇになくても俺にはあんだよ!こんなガキにコケにされたまま帰れっか!」
「もう帰りたいから諦めて欲しいんだけどなぁ」
正直このおっさんたちには恨みがないからちょっかいをかけてこないのなら俺から何かするつもりはない。しかしこの感じ、ここで逃しても何度も絡んできそうな勢いがある。それはまずい。今回は貧民街で襲ってきたが人通りの多い通りや昼間に襲ってきたら嫌でも目立ってしまう。ただでさえ自分の見た目は白髪赤眼と珍しい見た目をしているから少しでも噂が広がればどこでクリスの耳に入るかわからない。そうなったら今度こそ確実に殺しに来るかもしれないし、現状のステータスが上がった俺でもまだ太刀打ちできない。そう考えると逆にこいつらを生かす理由もないかもしれない。
クリスを殺したいほど恨んでいるがまだ人殺しをしたこともない。この際に予行演習としてこいつらを殺してみるというのもいいかもしれない。
(さっきもこいつらは貧民街では骨一つ残らないと言っていたし丁度いいかもしれないな)
正直いろいろあって疲れていることもあり、早く帰りたい。そうと決まればさっさとこのおっさんたちを殺すことにする。
まずは一番素早く、手数で攻めてきていてめんどくさいと思っていた短剣のおっさんから片付ける。
槍の攻撃を往なしたタイミングで短剣の攻撃が来る。こいつが3人の中で一番弱いのか隙が多い。攻撃を往なすのではなく正面から受け止める。往なされる前提でかかってきていた為、わずかに体勢が崩れる。そこを見逃さず鳩尾に拳を叩き込みのしておく。
これまで回避しかしていなかった俺がいきなり反撃をしてきたことに驚いている槍使いの懐に一足飛びで飛び込み、さっきのおっさんから拝借した短剣で切り込むが流石腐ってもDランク、ギリギリ受け止められてしまう。しかしそれも含めて想定済みであり、無理な体勢で受け止めた槍使いの無防備な足を払い、倒れたところに短剣を胸に突き刺し止めを刺す。
「アル!ダン!こんのクソガキぃ!よくもやってくれたな!」
2人がやられたのを見て激情に駆られたおっさんがハルバードを振り下ろしてくるが頭に血が上って冷静じゃない攻撃は力の限り振り回すだけで技などない。その上、重いハルバードを長い間振り回し続けたことで疲れが見え始めており、隙だらけの懐に潜りこみ、手を斬りつけ武器を握れないようにする。そのままのど元に短剣を突き付けおっさんに話しかける。
「おっさん、少し聞きたいことがあるんだが質問に答えてくれねえか?」
「はぁはぁ……くそぉ!負けただなんて認めねぇ。ぶっ殺してやる!」
「はぁ、どっからどう見てもお前の負けだろ。それに今ならまだあのおっさんたちも助かるかもしれねぇぜ?どうする?質問に答えるのか?答えないのか?」
「……チッ、わかったよ。俺に何が聞きたい?」
「『クリス』っていう金髪の冒険者について知ってることがあれば答えろ」
「クリス?あぁ、あのいけすかねぇ野郎か。俺は直接的な関わりがねーから詳しくは知らねぇが噂になってたからある程度の情報なら知ってるぜ。どんなことが知りたいんだ?」
「奴のランクとかレベルとかよく現れるところとか知ってたら教えろ」
「あー、確かランクはCでもうじきBランクに上がるんじゃないかって噂になっていたはずだ。レベルは300超えているって誰かが言ってたぜ。よく現れる場所は知らねぇな。冒険者だから冒険者ギルドに現れるはずだが俺らとは時間が合わないのかあんまり見たことねぇ…そういえば再来月の建国祭の剣術大会に出るとかっていう噂を聞いたくらいしかわからねぇ。もういいだろ。俺たちの負けだ…ダンも今なら助かるかもしれねぇ。助けてくれとは言わねぇから見逃してくれよ」
「そっか、ありがとよ」
聞きたかったことも聞けたため、俺はおっさんの首を撥ねる。これだけしつこく殺そうとしてきた相手だ。また何かいちゃもんをつけられるのもめんどくさいし、俺がクリスの情報を集めていたことを知られるのもまずい。そもそも俺のことを殺そうとした相手だ。生かしておいてやる義理などない。
おっさんが嘘を言っている時の為に残しておいた短剣のおっさんを起こし同じように確認するが似たような情報しか得られなかった。短剣のおっさんも命乞いをしていたがそのまま殺す。
一応戦闘中と戦闘後など状態を分けて人を殺したがあまり罪悪感も嫌悪感も湧いてこない。逆に達成感なども湧いてこない。まだ殺してすぐだから現実味が湧いていないだけかもと思い直し、とりあえずおっさんたちの懐から金だけ抜き取り帰ることにする。
少し歩いたところでそのまま放置で本当に大丈夫かと気になって後ろを振り返ると子供たちが群がって装備品などを剥いでいるところだった。骨も残らないとはこのことかと思い直し、小屋まで歩く。




