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スライムの復讐  作者: シエラ
一章
32/39


「この辺りなら開けてるし問題なさそうじゃない?」


シェリーに引っ張られながら3人で露店を回ったことで東門から出て開けた場所に出たときには既に太陽が真上にまで昇っていた。いろんなものを買い食いしながら歩いていた為、お腹も膨れている。


「そうだな。じゃあ……本当にするのか?」

「ああ、頼む」


ダンも肩を回しながらある程度距離を取りつつこちらに確認を取ってくる。

それに答えながらこちらも腕を伸ばしながら準備をする。


「……まぁいい。どこからでもかかってきな」

「ダンは武器を使わないのか?」

「お前相手なら素手でも十分さ」


そういいながら指をクイクイッと動かして挑発してくる姿にイラッと来る。


「…その余裕、後悔させてやる」


収納から木剣を出してまずは魔法を纏わずに何度か斬りかかるがどれも簡単に往なされる。

しかし、さっきの言動からわかっていたが手加減されているようでこちらにカウンターなど仕掛けてくる様子もない。


「おいおい、舐めてんのか?それともそれが本気なのか?」

「そんなに焦んなよ。準備運動は大切だろ?」


ダンのことを舐めているわけでもないし、普通にやっても簡単に勝てるだなんて思いあがってもいない。

向こうはこちらを舐めているようだから最初から攻撃してくると思っていなかったからこちらとしても魔法を纏わせずに斬りかかった。この程度だと思ってくれたら御の字だし、そうならなくてもさっきまでの動きが目に残ってくれて反応が少しでも遅れたらという思いでの行動であり、そのまま斬りかかっていた。


「ここからが本番だぜっ!」


そういい終わるが早いか足に魔法を纏わせて一足飛びに懐に飛び込んで木剣で斬りつける。

一撃を食らわせれたらと御の字で最悪、掠るくらいはするだろうと思って斬りかかった攻撃だったがしかし俺の考えなどあざ笑うかのように楽々と往なされてしまい、そのままこちらの勢いを利用されたカウンターがくる。目でギリ捉えられているが体が追い付かない。

そのままもろに鳩尾に拳をもらってしまい痛みで怯んでいるところに再度衝撃が体に走り視界が回る。

咄嗟に蹴り飛ばされたとだと理解して痛みを我慢して何とか受け身を取って体勢を整える。ダンからの追撃に備えて視界に収めると少し離れたところからこちらを見ているだけで特に追撃などしてくるそぶりもなく、こちらに話しかけてくる。


「雷か……珍しい魔法を使うな。それで?威勢がいいだけでその程度か?」

「くそっ、まだまだ!」


そういって魔法を全力で身体に纏わせて斬りかかるも同じように簡単に往なされ、転がされる。

舐めていたわけではないが他のスキルを使っていないとはいえ魔法を使い、全力で斬りかかっているが全く歯が立ちそうにもない。

それでも何度も立ち向かい、転がされを繰り返す。

数度転がされたところでダンが俺を見下ろしながら話しかけてきた。


「せっかくの魔法も使い方が全然だな。誰かに師事したこととかないのか?」

「……魔法が使えるようになったのはここ数週間のことだからな。」

「じゃあすべて自己流か?」

「爺さんに昔、魔法の使い方を聞いたがその時は魔法を使えなかったからな。その時に魔法は飛ばすのと纏わせるって簡単に聞いてたからその記憶を頼りに試行錯誤してるところだよ」

「だからか……もしかして他の剣士の戦い方もあまり見たことないんじゃないか?」


村にも冒険者をしている剣士もいたが基本的に俺は嫌われていたから一緒に行動をしたことなんてなかった。近くで見たことがあるとすればクリスと戦ったことくらいか。


「魔法を体に纏わせて戦うっていう戦い方もあるがそういうのは素手や足で攻撃するやつらがすることであって纏わせる場合は基本的に武器とかにするんだよ。それで身体能力とかを上げたいときは魔法を纏うよりも魔力を体の部位に留めるみたいな感じに使うほうが無駄な魔力も使わなくて済むし、効率も身体能力を上げる効果としても高いんだよ。だからお前のような戦い方は効率が悪いし能力を十全に使いこなせていない」


爺さんからはざっくりとした説明しか聞いていなかった為、そこまで詳しいことは聞いていなかった。また、他の冒険者の戦い方なども見る機会もないため、ダンに言われなければこれから先も気づくこともできなかっただろう。


「そうだったのか……。ちなみにダンも魔力を使っているのか?」

「お前が魔法使い出した辺りからは少し使って強化したりはしてたぜ。魔力を留めておくだけだからお前みたいに見た目に現れないし普通に見るだけだとわからなかっただろ?」


てっきり純粋な身体能力だけでやられていたのかと思っていたが違ったようだ。


「……いきなり喧嘩吹っかけておいて虫がいいとは思うが少しでいいから方法を教えてくれないか?頼む」


転がされた体制のまま頭を地面につけて頼み込む。今のままではレベルを上げてもクリスを倒せる見込みもないということが今回のことで痛感した。しかし、俺にはダンの他にこんなお願いをできるような相手がいない。

 ダンには何のメリットもないと思うが頼み込むしか俺には方法がない。


「おいおい、早く顔を上げてくれよ。そこまでしなくても教えてやっから」


ダンは頭を掻きながらしゃがんで俺の体を起こさせて来る。


「ほんとか?」

「まぁここまで来て放り出すのも心苦しいしな。ただ俺らも明後日から用事があるから今日明日だけしか教えられねぇぞ?」

「それでもいいよ。助かる」

「シェリーもそれでいいか?」


ダンが確認するようにシェリーがいた場所に声を掛けるも返事がない。俺も気になってそちらを見てみると草原で幸せそうに昼寝をしていた。


「やれやれ、道理で静かだと思ったら…まあ起きたときにでもまた声かければいいか。じゃあ早速今日出来そうなことから教えていくから起こさないためにもあっちで練習するか」

「あぁ、よろしく頼む」


そうしてシェリーを起こさないように少し離れた場所へ練習をするべく移動する。


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