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スライムの復讐  作者: シエラ
一章
15/39

4/4改稿


さて、指輪の謎は解けたが分からないことだらけだ。さっきの夢の中の世界はこの世界とは違うように思う。何故別の世界に来たのか。そもそもなぜ他人の記憶が自分にあるのか……。

まだまだ分からない。しかし、もしかしたらこの指輪のように何か記憶を呼び覚ますヒントになるようなものが他にもあるかもしれない。


(もし、指輪を見つけたときと同じように気になったものがあれば積極的に集めて手がかりを集めるか)


その為にも今は現実に意識を戻してダンジョン攻略を再開するべく、4階層へ降りていく。

4階層でも同じくオーガかと思っていたがどうやら違うようでサイズはオーガよりも少し大きく、毛むくじゃらで鼻が大きい。


(爺さんから話は聞いていたがこれがトロールってやつなのか?)


昔冒険者の話を聞いていた時、同時にモンスターの特徴なども含めて話をしてくれていた。その時の特徴通りの見た目の為、恐らくトロールで間違いないだろう。


(たしかトロールって高い再生能力と変身能力があるんだよな?)


爺さんから聞いた話によるといろんな姿に変身することが出来るほか、腕などを切断してもくっつけたりすることが可能だという。その為一番手っ取り早く仕留めるなら首を斬り落とすことだと聞いた。


(でもこのトロール、オーガよりも少し大きい見た目をしてるから全然届きそうにないな……)


とりあえずトロールも1体しかいない為、試しに戦ってみることにする。


トロールはまだこちらの存在に気づいていない。まずは首を狙える位置に持ってくるために体勢を崩すべく、足に魔法を纏わせて一気に勢いをつけて足を斬りつける。

完全な不意打ちだったためかトロールは状況が把握できていない様子で大きく体勢を崩して膝をつく。

体勢を崩しているトロールへ間髪入れずに首めがけて剣を振り下ろしてアドバイス通りに首を斬り落とす。

念のため、少し距離を取って動くかどうか確認するも動く様子はない。無事に倒せたようだ。


そのことに安堵しつつトロールの死体をスキルで収納して先へ進む。

そのあとはいろんな見た目の3体のトロールに出くわしたがどれもオーガよりも大きなサイズの為、同じ要領で首を撥ね、進んでいくと5階層に下りる階段を見つけることが出来た為、5階層へと進む。


最終階層、何かあるかもしれないと思い警戒して進むもモンスターも4階層と変わらずトロールが出現するのみで特にこれといったこともなく、ついにダンジョンボスの部屋の前に辿り着く。


「やっとボスまでたどり着いた」


一旦休憩するべく壁にもたれ掛かりながらポーションを飲み、体力と魔力を最大まで回復してから一旦今のレベルを確認するべく冒険者カードを取り出す。


・イーライ(繧ケ繧カ繧ッ) Lv.169 ランクE

スキル

剣術:Lv4、雷魔法:Lv5、成長補正、収納、吸収、擬態


どうやらレベルがあれから30上がって169に。そしてスキルも剣術と雷魔法が1ずつ上がっている。

恐らくトロールを不意打ちとはいえ、あれだけスムーズに倒すことが出来たのはこれだけレベルが上がっていたからできたことだったのだろう。最初に確認したときは少し不満ではあったがこうレベルがまとめて上がっているのを見ると嬉しくなる。


冒険者カードを見て、少しテンションが上がり元気になったのでそのままの勢いでボスと戦うべく扉に開き、ゆっくりと中へと入る。


扉の中はきれいな正方形に開けており、高さも2階層分あるのではないかと思うほど開けている。そして装飾もされており、鏡なども立てかけられている。

洞窟の最下層のはずなのにその不自然な空間に面食らいながらもどこからボスが現れてもいいように警戒しつつ、ゆっくりと進んでいくと上から何かが降ってくる気配を感じる。慌てて足に魔法を纏わせて横に飛ぶとさっきまでいた場所にトロールらしきモンスターが鉈を振り下ろしていた。

らしきと表現したのには理由がある。なぜならこのモンスターには頭が二つついており、体も一回り大きく、腕も2本ではなく4本生えている。さながらハイトロールといったところか。


先ほどまでのトロール戦同様、魔法を纏わせて勢いをつけて足を斬りつけるも体勢を崩すこともなく、傷口も気持ち悪いぐらい早く再生してしまう。

その後も何度か斬りつけてみるがどこを斬ってもすぐに再生してしまい、これといった決定打を与えることが出来ていない。せめてもの救いはハイトロールもそこまで賢いわけではなく、動きが単調で力任せにただ鉈を振り回しているだけで攻撃を避けることが容易なことぐらいだ。


しかしこのまま戦っていても平行線で決着がつきそうにない。

そういえばまだ魔法を纏わせるのみで攻撃に使っていなかったことを思い出す。

試しに雷属性の魔法を手に集め、ハイトロールの片方の顔めがけて放ち直撃させる。


「よし、顔面直撃!やったか!」


ハイトロールは片手で片方の顔を抑えつつ鉈を杖にして片膝をつく。小さな雷が直撃したようなもののはず。流石にかなりのダメージを与えることが出来ただろう。

そう思ってこの隙に止めを刺すべく近づこうとした俺に向けて鉈が飛んでくる。


とっさに後ろに飛んで避けることができたが鉈が地面を抉り、そこそこの大きさの石が俺の顔に直撃する。


「ぐっ」


どうやらもう片方の頭がこちらを確認して鉈を投げたようだ。

奇しくもハイトロールの攻撃によって同じようなポーズで片膝をつくことになった。どうやら頭に当たったことにより軽い脳震盪を起こしてしまったようだ。


幸い、ハイトロールの負傷した頭もまだ回復しきっていないようだし、鉈も今は手元にないためすぐに追撃をくらわしてくることはない。その隙に収納からポーションを取り出して飲む。

ポーションのおかげでまだ痛みなどはあるもののめまいなども収まり体勢を立て直す。


そしてハイトロールに駆け寄りつつ左手に魔法を集めて近づいたタイミングで残っているもう片方の顔に近距離から魔法をぶつける。最初に攻撃したほうの顔は復活しかけているがまだ回復しきれていない様子。

駆け寄った勢いのまま最初に攻撃したほうの首を落とし、一旦地面に着地して体勢を立て直して再度魔法で勢いをつけながら残された首も斬り落とす。

これでもまだ動くようならどうしようと思いつつ少し距離をあけて動くかどうかを確認する。


少し時間をおいてみても微動だにしないことと傷口が回復していないことを確認してようやく倒したと確信して安堵する。



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